2024.7.19
「よく食べて、よく寝る」臼井麗香が線の細さ解消し単独首位
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン第20戦『大東建託・いい部屋ネットレディス』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,160万円)大会第2日が7月19日、福岡県糸島市 ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(6,505ヤード/パー72)で行われた。この日は雷雲接近で午前10時50分、競技を中断。再開後、第2Rを消化した。前日にも増して、スコアが伸び、大混戦ムード。
63のトーナメントコースレコードをマークした、臼井麗香が通算14アンダーで首位に立った。1打差の通算13アンダーは地元Vを狙う三ヶ島かな、青木瀬令奈。4位タイは通算11アンダーで河本結、上野菜々子、川﨑春花がつけている。
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《グリーン=スティンプ:9フィート コンパクション:20.5mm》
JLPGAツアー2勝目を狙う臼井麗香が2度の3連続を含む9バーディー、ノーボギーで、トーナメントコースレコードの63をマーク。単独首位に浮上した。今大会開幕前の時点で、平均パット数(1ラウンド当たり28.0769)がツアー3位。この日もパッティングが冴え、インスタート最初の10番でバーディーを奪うと、14番から16番まで6メートル、30センチ、3メートルのバーディーパットを沈めていった。
頭を抱えたのは5番だ。わずか50センチのバーディーパットを外し、「結構切れるラインでした。短いから、それほど切れないだろうと思ったのが甘かった」と悔やむも後の祭り。「8メートルのイーグルパットもカップをかすめたほどだったのに。ショック過ぎて、(パーなのに)スコアにボギーと書きそうになりました」と明かしたほどだ。
しかし「その分も次のホールで必ずバーディーを取ろう」という思いが、続く6番からの3連続バーディーに結びついたのだから恐れ入る。ここでも6メートル、6メートル、3メートルのパットを決めた。さらにこの日は、同組の藤田さいきも66、三ヶ島かなも67と好調。臼井は「相乗効果で引っ張ってもらいました」と謙虚に語ったが、その3人の中でもピカイチのスコアをマークした。
2022年にシード権を失ったが、主催者推薦で出場した今年3月のアクサレディスで、雨天のため2日間に競技が短縮された中、自身初優勝を手にした。1998年度生まれの「黄金世代」で14人目の優勝者という遅咲きだった。
それでもツアー1勝の肩書を得たことは、様々な変化をもたらした。6月のアース・モンダミンカップで、数年前に知り合った男子プロ・片山晋呉に「優勝したご褒美に」キャディを務めてもらったこともその1つだ。
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
ツアー31勝を誇る片山のアドバイスで「アプローチのバリエーションが増えました」とうなずく。「今までは頑固に転がすだけ。余程状況が悪くならない限り、ロブショットは打ちませんでした。いろいろなことをすると、ミスの種類が増えるのが嫌だったからです。でも、考え方が少し変わりました」とうなずく。「転がすだけの時は50センチショートするとイライラしていましたが、余裕を持てるようになりました」という副産物もあった。
線の細さも解消しつつある。なかなか40キロ台を抜け出すことができなかった体重を、今年の春先に51キロへ増量し、今もキープしているという。「たくさん食べて、たくさん寝る」のが秘訣。もともと「れいちぇる」のニックネームでファンに親しまれる人気ゴルファーだったが、25歳にして成長のあとを見せている。
残り2日間へ向けて「スコアの伸ばし合いで、誰にでもチャンスがある。みんな上手だから、確実に優勝を狙うというのは難しいです」と慎重に言葉を選んだが、今度こそ4日間を完走した上で、栄冠をつかみたいところだ。
(宮脇 廣久)
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