2024.8.24
桑山紗月、3人プレーオフを制し2年ぶりのV
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
JLPGAステップ・アップ・ツアー2024シーズン第11戦『山陰ご縁むす美レディース』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が8月24日、鳥取県伯耆町・大山平原ゴルフクラブ(6,513ヤード/パー72)で行われた。終盤までもつれる大接戦となった最終日。勝負はトーナメントレコードタイとなる通算12アンダーで並んだ桑山紗月、スタイヤーノ梨々菜、木下彩によるプレーオフへ。2ホール目、桑山がバーディーを決め、2022年以来のステップ2勝目を飾った。
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プレーオフの舞台が18番パー4と知った時、桑山紗月の脳裏には嫌なイメージが浮かんだという。「第1打がすごく構えにくく、どうしても左サイドに飛んでいきそうなんです」。実際、正規の18番では第1打を左ラフに打ち込んでいる。木下彩、スタイヤーノ梨々菜との3人プレーオフを勝ち抜くにはバーディーを奪いたい。そのためにはフェアウェイをキープしたいが、桑山にとってそれが最も難しいのが18番だった。
1ホール目、左に曲げるのを嫌がったこともあり、第1打を右に曲げてしまう。何とかこのホールをパーとし、2ホール目へ向かうことができたのは幸運だったといえるだろう。
「とにかく1点に集中して思い切り振り抜こう」。そう思って打ったこの日3度目の第1打はようやくフェアウェイをとらえる。しかも、ピンまでは残り124ヤード。得意のピッチングウェッジで打つことができる。自信を持って放った第2打はピン左手前3メートルについた。
「このホールでドライバーショットはもう打ちたくないので、絶対にこのパッティングを決めるつもりでした」。先に、木下、スタイヤーノがバーディーパットを外していたので、決めれば優勝。ラッキーだったのは、木下が桑山と同じようなラインだったことだ。
「カップの近くで、木下選手のボールがすごく右に切れたので参考になりました」。あらかじめどれぐらい切れるか予想できたことで、迷うことなくストローク。ボールはカップへと消えていった。「プレーオフは初めての経験でしたし、勝てて本当に嬉しいです」と笑顔を見せた。
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
初日、2日目はショットが良かったにもかかわらず、パッティングがことごとく外れたことで、いまひとつスコアを伸ばせなかったという。そこで、前日のラウンド後は2~5メートルの距離を徹底的に練習した結果、この日は26パットにまとめることができ、優勝につなげてみせた。
新人だった22年のステップ・アップ・ツアーで初優勝を飾ったものの、その後は左手首のTFCC損傷で4カ月間クラブを握ることができなかった。その後も足のじん帯を損傷するなどケガに泣かされたが、昨年からようやく納得のいく練習ができるようになった。
「でも、本当に辛かったのはこの1カ月間でした」。今季はステップ・アップ・ツアーで2度のトップ10入りを果たしていたが、直近2試合で予選落ちを喫していた。「体調も良くなかったし、自分のゴルフのことを考えるとめちゃくちゃ不安になりました」。もともと暑さに弱いこともあり、何をやっても上手くいかず、ゴルフに対する自信を失いかけていたが、母親の応援を励みに、なんとか気持ちを前向きにして臨んだのが今大会だった。
「母には本当に感謝しています。今回の優勝をすぐに報告したいです」と語る桑山。2年前の初優勝した時よりも、今回の優勝は自分の実力でつかんだ気持ちも大きく、今後に向けて大きな自信となったことは間違いない。ステップ・アップ・ツアーのスケジュールもまだ折り返したばかり。母親の期待に応えるためにも、2勝目を目指し、明治安田ステップ・ランキング上位2人に与えられる来季のJLPGAツアー前半戦出場権を獲得するつもりだ。
<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>
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