2024.9.4
上田桃子-59回目でピリオド宣言
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン公式競技・第2戦『ソニー 日本女子プロゴルフ選手権大会』(賞金総額2億円、優勝賞金3,600万円)が9月5日、沖縄県名護市・かねひで喜瀬カントリークラブ(6,670ヤード/パー72)で開幕する。4日はプロアマ大会。また、各選手が難コースへ、より工夫をこらした最終調整を行った。
上田桃子は、歴代19位タイの公式競技出場。59回目の挑戦を果たす。「もう、今年で終わらせたい。いや、今回です」と、公式競技タイトル奪取へ向け、決意表明である。
「調子はいいです」とストレートなもの言いも珍しい。よほど自信がある証拠だ。その理由を、「今季は試合を通して、ずっと取り組んできたことがある。練習ではできても、試合でできなくては何もならない。前週はお休みをいただき、今回のためにコーチと納得いくまで話し、練習もした。これまでと違うのは捨て去る作業だったことかなぁ。調子が悪いと足していく作業ばかりになる。いろいろと考えることが多くなりますから…。だから調子がいい時でなければ、より集中することが難しい。捨てることができるのは、私にとって、すごくいいことです」といい、惜敗の前戦を、「ニトリレディスでは、考えることが多かったと思う。おかげで、それをカバーできる練習も前週、行えたし、パッティング、アプローチの調子が上がった。ここで戦う、準備ができましたよ」と頼もしい。
そして、前年の今大会を、「シーズンの序盤から安定性は優れていたけど、狙った公式競技へピークを迎えることができなかったと思います。どんなことかといえば、勝負強さ、勝負勘など、勝つまでの手札が不足していた」と、状況を比較した。経験は豊富。しかも、プレーや勝利に対しての意欲は人一倍ある。己に厳しく、誰よりも公式競技へ、意欲と情熱を傾けてきた。そんなプロセスを外から、拝見してきたが今回ほどいい意味で、ゆとりが感じられることはなかった。
コースの印象を踏まえて、「芝が独特です。プレーのラッキー、アンラッキーはあっても、ある程度は許容範囲だと考える。とにかく大切なことは4日間を通し、安定したプレーを持続することです。焦らない。4日間、72ホールをイメージして戦う。毎日、60台のスコアでプレーすることです」。淡々と語っている。
過去、58回の挑戦でたどりついた新境地。ひとことの重みが、こちらまでストレートに伝わってきた。
(青木 政司)
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