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2024.9.5

苦難・困難 桑木志帆-それでも68

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

ソニー 日本女子プロゴルフ選手権大会 かねひで喜瀬カントリークラブ(沖縄県)第1日

 第1日、桑木志帆は最終9番で1メートルのバーディーパットを決めると、ホッと安どのため息が漏れた。6バーディー、2ボギーの68。傍目では、上々のスタートと思えたが、実情は違う。

 後半のスタート。1、2番でそれぞれ1メートルのパーセーブに失敗した。「思ったようにストロークできてもカップインしない。最後にほんの少し、ボールが切れてしまう。1番はのぼりのフックラインだったのに…」。しかし、難しいグリーンに悩まされたのは、ひとりだけではない。「同組のお二人も、特にショートパットにはかなり悩まされた様子でした。これが公式競技なんだ。よしっ、気をつけよう…」。静かな闘志を燃やしたという。

 前週、優勝直後の一戦ながら、胃腸炎で欠場。まさに、好事魔多しだった。それだけに、今回は-の思いが強い。しかし、「3日の練習ラウンドの途中で熱中症のような症状になった。大事にはならなかったけど、調整がうまくいったとは思えない」と本音を漏らした。

 ところが、この日は序盤から好調だった。前半、4バーディー、ノーボギーで不安を一掃。ただし、「ショットの精度がいまひとつ。ロングアイアンにも少し、気持ち悪さがあった」そうだ。

 そんな時、活躍したのは写真のハンディーファン。しかもラッキーアイテムだ。ツアー初優勝を飾った資生堂 レディスオープン最終日、ラインストーンをあしらい、ネーム入りの豪華版をコーチの中村修さんからプレゼントされたもの。酷暑を乗り切り、今回もコースでは手放せない。



 「キラキラが好き。すごくいいでしょう」と大絶賛。さらに1カ月後にはツアー2勝目を飾っている。さらに、この日はバーディー奪取の5番で担当キャディーが体調不良となった。続く、6番から中村さんがバッグを担ぎ、事なきを得る。ということで、9番のバーディーは、何としても決めなければならなかった。

 ゴルフは個人競技でも、多くの人が支えてくれていることを再確認した-桑木の18ホールである。「プロの中で1番になることより、私にとってより魅力なものは3年シードです」と、加えたのは、可能性がますます膨らんだ証明なのだろう。

(青木 政司)

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