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2024.9.6

20年連続出場 藤田さいき-太公望の心意気

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

ソニー 日本女子プロゴルフ選手権大会 かねひで喜瀬カントリークラブ(沖縄県)第2日

 藤田さいきは今大会、20年連続出場。「私のゴルフの辞書に、新しいページが増えた」と笑顔で感想を語った。この日の見どころは後半。4バーディー、ノーボギーの内容だ。特に8、9番での連続バーディーフィニッシュは決勝ラウンドへ向けて、元気になる68のスコアだろう。

 いずれも1メートルのバーディーパットを楽々とカップイン。「パー3・8番は8I。9番は残り100ヤードの第3打を48度です」と話した。ショットの切れ味は抜群である。「とにかく無事にフィニッシュできることが一番。きのうは暑さと湿度で、歩くことがつらかったなぁ。ギャラリーの皆さんも大変だったでしょうね。シーズンオフ、このコースでプレーした経験がある。その時はカートを使用した。本当、カートは偉大だなぁ」と、ジョークをまじえて振り返る。

 そして、自身のプレーよりも、同組でプレーした岩井明愛を絶賛。「本当にうまい。あの若さで、あんなに完成している。すごいなぁ」と漏らす。大会初出場は2005年、19歳。6回目の出場だった10年、念願のプロ日本一に輝いた。歴代チャンピオンは生涯の出場権を獲得できる。「いくつまで出場できるんだろう」とも。


<Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images>

 現在、38歳だが、11月に30代最後の誕生日を迎える。若年化が一気に進行しているJLPGAツアーにあって、存在感を示すベテランは人生を楽しむことも巧みだ。前週を休養と調整に充てた。「ラウンドしたのは、兄と1度だけでした」といいながら突然、目が輝く。

 「海へ、釣りに行きました。福井です。それから、早めに沖縄へ入って那覇と、名護でも。今、イカのシーズン。私、生ものはシーズン中、絶対に口にしないけど、とにかくおもしろい」。趣味が釣りとなったのは、コロナ禍がきっかけだ。「それ以前から、主人が釣りへ行っていた。海や、海の近くで気分爽快です」といい、「ゴルフだけを続けていると、のめり込みすぎて、視野が狭くなるから、ちょうどいいと思います」と加えた。

 しかも、「おかげさまで、ゴルフではなく釣りの仕事までいただくようになった。さわらや太刀魚、ニジマスの渓流釣りもお仕事で…」。ゴルフ同様、腕前もかなりのようだ。

 さて、ゴルフへ話題を戻そう。「グリーンだけではなく、とにかく芝が難しい。読みづらい。こういう芝でプレーするのは初めてです。だけど、すごくおもしろい。挑戦することで気持ちが新鮮になる」と意欲的だ。そういえば、最後まで2回目の優勝-という言葉は出てこなかった。

 「私は経験でプレーする」。決意表明をビシッと決めた。

(青木 政司)

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