1. ホーム
  2. ニュース&トピックス
  3. 古江彩佳が見せたショットのキレと球筋へのこだわり

2024.9.26

古江彩佳が見せたショットのキレと球筋へのこだわり

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2024シーズン公式競技・第3戦『日本女子オープンゴルフ選手権』(賞金総額1億5,000万円/優勝賞金3,000万円)が9月26日、茨城県坂東市・大利根カントリークラブ西コース(6,845ヤード/パー72)で開幕。大会第1日、7アンダーをマークした古江彩佳が首位に立つ。3打差の4アンダー、2位タイには山下美夢有とアマチュアの新垣くらら。3アンダー、4位タイには永井花奈、ウーチャイェンら7人が並ぶ。
(天候:晴れ 気温:28.7℃ 風速:1.4m/s)
《グリーン=スティンプ:10.5フィート コンパクション:21mm》

 大会前に合計36ホールの練習ラウンドを行った古江彩佳だが、その感想は「コースの距離が長く、グリーン上も簡単ではないので、イーブンかアンダーパーで回れればいいと思います」だった。ところが、いざ第1ラウンドが始まると、8バーディー、1ボギーの65をマーク。2位へ3打差をつける7アンダーで単独首位に立つ。

 「今日のゴルフは90点、いや95点ぐらいかな」。奪った8つのバーディーのうち、3メートル以下のパッティングが7回、そのうち1メートル以内が3回とショットが切れまくっていた。残り1つのバーディーはグリーン手前から9ヤードのアプローチをチップインさせたものだ。となれば、95点という高得点もうなずける。聞けば、今年優勝した海外メジャーのエビアン選手権よりもショットが安定していたとのこと。ちなみに足りない5点はパー5で第2打を刻んだにもかかわらず、ラフに入れてしまったからだという。

 自分の想像以上のゴルフをできた理由としては、前週にコーチである父親の芳浩氏とスイングチェックを行い、細かい部分を修正できたことが大きい。「アドレスの向きとか最近はよくなかったので、そこを修正しました」。方向性がアップしたことで、この日はフェアウェイをキープできなかったのは1番ホールのみだ。もっとも、このホールではラフからの第2打がグリーン左のバンカーにつかまり、そこから寄せ切れずにボギーを叩いている。

 難度の高いコースでは、スタートでボギーを叩くと流れに乗りにくいことが多い。経験が豊富な古江もそのことは百も承知であり、続く2番ホールでは絶対にバーディーを奪うと心に決める。ティーショットこそバンカーにつかまったものの、ピンまで残り131ヤードをピッチングウェッジで30センチに寄せるスーパーショットを放つ。それを沈めて悪い流れをあっさりと変えてしまった。

 さらに、好スコアをマークした理由の一つに、球筋へのこだわりがある。古江の持ち球は右に打ち出し、左に曲げるドローボールだが、右ドッグレッグホールのように、ホールの形状によっては左に打ち出して右に曲げるフェードボールが有効なケースがある。古江ほどの実力があれば、フェードボールを打つことも可能だが、あえてそうしなかった。

 「自分の持ち球をしっかりコントロールできるように意識しているので、フェードボールが有効な場面ではレイアップしました」。たとえフェードボールでそのホールのティーショットが成功しても、その後のスイングに乱れがあったり、イメージどおりのドローボールを打てなくなっては意味がない。その判断が正解だったことは、この日のスコアが証明している。

 正確なショットとブレないコースマネジメントがあったからこそのビッグスコアだが、古江の頑なな姿勢が崩れない限り、公式競技初制覇は遠くない。

(山西 英希)

このニュースをシェアする

記事検索記事検索ARCHIVE

search検索