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2015.6.7

大山志保が今季初優勝 そのゴルフは進化の真っ最中

 2015年LPGAツアー第14戦『ヨネックスレディスゴルフトーナメント』(賞金総額6,000万円、優勝賞金1,080万円)の大会最終日が、6月7日、新潟県長岡市のヨネックスカントリークラブ(6,352ヤード/パー72)で行われ、首位からスタートした大山志保が、通算10アンダーで今季初優勝を飾った。1打差の通算9アンダー、2位は2週連続優勝を狙ったテレサ・ルー(台湾)、通算8アンダーの3位には表純子が入った。(天候:晴れ 気温:20.6度 風速:1.4メートル)

 「見えたのは最後だけでしたね。まっすぐのラインでした」。18番グリーン上、今季初優勝がかかった下りの1mのバーディーパットを迎えた大山志保の目には、グレーのラインが確かに浮かんだ。「いつもだったら描けるんですけど、今日はずっと見えなかったな」というそれが最後の最後で描けた。「ガツンと打って、3パットしたらどうしよう」と弱気の虫が、刹那頭をもたげたが「下りでも自分のスタイルを貫こう」とすぐにそれを打ち消した。「弱く打ったらスライスするライン。まっすぐ打ちました」というウイニングパットはカップに見事に吸い込まれ、今日ずっとため込んでいたパワーを一気に解放するが如く、大山は何度も拳を天に突き上げた。

 2006年に優勝を飾った大会での、9年ぶりの勝利となった。ウイニングパットを待っている間、その間に起こった様々なことが脳裏をよぎっていたという。「シード落ちをしたこと、ケガをしてプレーできなかったこと。いろんなことがよみがえっていました」と目を細めた。「とにかくゴルフが出来ればいいです」と懇願し、左肘関節内じん帯の手術の執刀医の顔も浮かんできた。今日勝ち取った優勝は、先月他界したその恩師への手向けの勝利ともなった。

 9年前からの成長も感じている。「2006年の時は勢いだけでした。とにかくロングパットが入っていました。ショットもパットもアプローチも今の方が全部いいです」。特に成長を感じているのがアプローチ。「今日の5番でも左足下がりのライが悪い所からのアプローチがあって、前だったら『何でこんなとこに打っちゃったんだろう』と自分を責めていましたけど、今はアプローチが楽しい。今日も100回やって1回できるかというのがそこで出来て、自分で『上手かったなー』って思っていました」と無邪気に振り返る姿は、38歳を迎えたベテラン選手にはとても見えない。

 今季にも並々ならぬ決意で臨んでいる。その表れが“スイーツ断ち”。大好きなスイーツを「勝つまで食べない」と挑んでおり、「体重も一番多い時から7キロぐらい落ちていますね。身体のキレもあって、前よりも飛んでいます」と結果的に肉体改造に成功した。開幕後、なかなか優勝出来ずに「今年はもうスイーツ食べられないなーと思っていたので、本当に嬉しいです。今晩は食べます!ホールケーキを買って食べたいぐらい!」と笑顔がはじけた。

 今季の目標については「昨年以上の成績を残すこと。それとワールドランキングを上げることです」と語り「全てがレベルアップしているのでこれからが楽しみです」と前を見続けている。「ゴルフが大好きで、成し遂げたい目標もある。日々学ぶことがたくさんあります」と貪欲に、大好きなゴルフと真正面から向き合っている。「45歳でゴルフを辞めるって言ってたんですけど、やることがいっぱいあって辞められないですね」。日々精進、大山志保のゴルフ人生は、まだまだ始まったばかりのようだ。

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