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2024.9.27

岡山絵里 プロ10年目の復活V

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 JLPGAステップ・アップ・ツアー2024シーズン第14戦『Sky レディースABC杯』(賞金総額4,000万円、優勝賞金720万円)大会最終日が9月27日、兵庫県加東市・ABCゴルフ倶楽部(6,645ヤード/パー72)で行われ、岡山絵里が通算20アンダーで接戦を制した。この日も沖せいらとのマッチレース。5バーディー、1ボギーの68をマークし、JLPGAツアー2勝の底力を披露した。ステップは15年以来の2勝目。復活の足がかりをつかんだ。2打差の通算18アンダー、2位は沖せいら。

 今大会は21年からロレックス ランキングフラッグシップイベントの対象となっている。また、ステップ初のリランキングが行われる節目のトーナメントに加え、唯一の4日間大会は明治安田ステップ・ランキングを左右する大一番だった。
(天候:曇り 気温:27.7℃ 風速:2.9m/s)

 復活のシーンは特別。プロ10年目の87期生・岡山絵里が底力の違いを見せつけた。通算20アンダー。沖せいらとのマッチレースを制した。ステディなプレースタイルを今大会は存分に見せつける。

 たとえば、パー3の12番。「第1打がバンカーへ。リカバリーはまずまずでした。でも、1.5メートルとはいえ、下りの難しいラインが残って…。ウイニングパットのような気分で全集中です。カップインした時、ヨシッと全身からパワーがみなぎった。優勝したとは思わなかったけど、勝負を決めた一打だと思います」と振り返り、「そのおかげで17番のパーセーブも自信をもっていけた。勝つことは本当に大変だけど、だから格別です」と、心情を絞り出すように喜びをかみしめた。

 この日はボギーが先行。ちょっとイヤな序盤のムードだったが、JLPGAツアー2勝の実力者である。多くの優勝争いを経験。戦い方を知っている-そんな一日だった。パー3・3番では静かな闘志を燃やし、第1打を4Uでピン奥2メートルへ。バウンスバックに成功する。

 「すごく気分が楽になった。最終日の勝負は後半。無理な攻めはせず、ひたすらチャンスを待った」という。その後半のスタートは10番。こんな舞台裏も語っている。

 同組の2人がスーパーショットでプレッシャーをかけてきた。「最終日の最終組は、責任重大。勝負を締めなければいけません。だから、お互いに崩れてしまうことが一番イヤです。だから、10番で2人がバーディーをとって、ヤル気が倍増。本当に同組のライバルには最大の感謝を表したい」とも加えた。


<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 22年オフ、腰痛を発症し、選手生命の危機にも直面。「ヘルニアで寝返りなども満足にできなくなった。日常生活も支障をきたすし、もちろんゴルフだってうまくいかない。股関節から来るものらしい。リハビリを欠かさず何とか今、18ホールをプレーできる状態にまで回復。一度はツアープロを継続するのは不可能と、あきらめた。でも、皆さんに励まされて何とか続けている。すべてが万全とはいかないけど、健康で楽しくプレーできることを感謝しながら毎日を送っています。焦らない。急がない。いい意味でこれが私のスタイルなのかもしれませんね」と語っている。

 最終18番。第1打は新たなスタートを告げたものだ。「ドローから、フェードボールにスイッチ。試合でうまく打てた。飛距離が戻ってきたし、残りのシーズンもシード権など、復活を目指してやれるような気がした」。今大会は、計24バーディーを奪取した。プロゴルファーの妙薬は、やはりバーディーということを改めて知らしめた72ホールである。

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