2024.10.26
久保樹乃-圧巻のレジェンズ初V
<Photo:Toru Hanai/Getty Images>
JLPGAレジェンズツアー2024シーズン第4戦『カヤバレジェンズオープン』(シニアの部:賞金総額2,000万円、優勝賞金300万円)大会最終日が10月26日、岐阜県可児市・日本ラインゴルフ倶楽部(6,130ヤード/パー72)で行われ、久保樹乃が通算5アンダーでレジェンズ初優勝を飾った。4打差の通算1アンダー、2位タイは鬼澤信子、山本薫里。
ゴルフは生涯スポーツ。その意味をこの日、久保樹乃が改めてかみしめた。レジェンズツアー初優勝。さらに、2002年ヴァーナルレディース以来、22年の時を経てのVは格別だった。
「今、計算していたけど、確かに22年。だけど、22年も経って優勝できるなんて、本当に思っていなかったし、考えてもいない。ただただ、うれしい。それだけですね」と、勝利の味をかみしめながら語っている。
序盤から、バーディーを重ね、終わってみれば4打差の圧勝。しかも、12番まで5メートルのバーディーパットを計3回、おもしろいようにカップインさせた。ところが、好事魔多し。13番でよもやのピンチを迎えた。
「別に優勝を意識したつもりはなかったけど、結果からいえば緊張していたんですね。第1打が右へ。第2打の残りは130ヤードです。9Iでまったく距離が出ず、かなり手前のバンカーへボールが飛び込んだ。第3打もグリーンをとらえることができない。4オン2パットのダブルボギーでした」と状況を解説し、続ける。「きょうの反省です。勝負の大詰めであんなプレーをしたことは、また同じ状況になって、ミスを繰り返したくはありません。だから、しっかり振り返って、考えて次に生かしたい」と話した。
もっとも、すごかったのは、続く14番。残り40ヤードの第3打を58度で2メートルへ寄せ、楽々とバーディーを決めた。悪い流れをすぐさま断ち切ったところが円熟の境地なのだろう。
<Photo:Toru Hanai/Getty Images>
「あのあたりで、ちょっと優勝…。でも、待って何年ぶりなんだろう、とかよからぬことを色々と考えてしまって、少しドキドキしてきたんですよ。だから、気持ちをリセット。これまでの経験を振り絞って、一生懸命に気分を落ち着かせ冷静にプレーすることを第一にした。最後まで、です」と振り返った。
今夏は全米シニア女子オープンに挑戦。5位に食い込んだ。しかも、この試合では山本薫里が2位と健闘し、日本人選手がトップ10に4人と目覚ましい活躍をアピールした。
「JLPGAの会員の半数近くがレジェンズの選手。一時期、ツアーから遠ざかった時はゴルフをやめようかとも考えたことがあったけど、年齢を重ねても試合がある、ということは、とてもうれしく励みになりました。資格を得て、レジェンズツアーへ出場すると、もうなんか試合でプレーできることがすべてうれしい。ゴルフは個人競技でも、レジェンズの皆さんはチームのように、みんなで試合を盛り上げていこう、と一丸になって話し合い、実践しています。きょうも、いい雰囲気ですごく楽しかった」と感謝のメッセージを添えている。
JLPGAツアーでは通算2勝。初Vは誰もが、忘れられない思い出になる。ただし、それ以上に語り継がれているのは02年の優勝だ。18ホールのプレーを終えてから、プレーオフへ。しかも7ホール、1時間55分の激闘だった。
「やっぱり、忘れられない優勝です。それにしても、22年は長かったな」と遠い目をしながら、ポツリ。ちなみに、02年はサッカーの日韓ワールドカップが開催されている。もうひとつ、現在開催中の樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント第2日、首位に立った岩井千怜が誕生したのも、02年だった。
山本薫里<Photo:Toru Hanai/Getty Images>
山本 薫里(2位タイ:-1)
「バーディーパットが決まらない。特に上りのパッティングがカップに届かなかった。また、セカンドの距離感がいまひとつ。全米シニア女子オープンの後、あまり内容のいいプレーができなかったけど、きのうは久し振りに納得のゴルフでした。次週からの2連戦。きょうのポイントを修正して、いいプレーを披露します」
佐藤靖子<Photo:Toru Hanai/Getty Images>
佐藤 靖子(5位タイ:+1)
「優勝には、届かなかった。ただ、プレッシャーがかかる最終日にアンダーパーでフィニッシュできたことは、次週につながると思います。きょうは、パッティングに助けてもらった。今季の目標、レジェンズ1勝を達成したい。次週の土佐から、あと2連戦でしっかり結果を出します」
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