2024.11.14
河本結、パッティング修正で首位発進
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン第36戦『第43回大王製紙エリエールレディスオープン』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が11月14日、愛媛県松山市・エリエールゴルフクラブ松山(6,575ヤード/パー71)で開幕した。快晴無風の好条件の下、河本結、山下美夢有、工藤遥加、政田夢乃が6アンダーで首位に並ぶ。1打差の5位に高橋彩華と竹田麗央。
(天候:晴れ 気温:20.5℃ 風速:1.5m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/2フィート コンパクション:22mm》
昨年の9月、2ndリランキングで上位にいけず、落ち込んでいた河本結の元へある手紙が届いた。「愛媛県の皆さんは、どんなときでも結さんを応援していますよ」という内容だったが、送り主は愛媛県の中村時広知事だった。「知事とは愛媛国体のときなどにお会いしたことはありましたが、今回のお手紙はかなり辛い時期にいただいたので、すごく心に染みました」。松山市出身の河本にしてみれば、これ以上ない拠り所となった。同時に、恩返しの意味で地元に貢献するにはどうしたらいいかと考え、やはり今大会に勝つことだと結論づけた。
「自分にとって頑張る原動力になったことは間違いありません」。どん底からはい上がろうとする人間にとって、応援してくれる声が多ければ多いほど励みになる。ましてや地元からの声援ともなれば格別だろう。迎えた今季、河本は見事に復活する。
シーズン序盤から何度もトップテン入りを果たし、ついにNEC軽井沢72ゴルフトーナメントで5年ぶりのツアー2勝目を飾る。その後も上位をにぎわす試合がいくつかあり、好調をキープしていたが、肝心の今大会を迎える前に調子を少し崩していた。いつの間にかショットやパッティングにおいて、細かいズレが発生し、それが微妙にスコアメイクに影響を与えていたのだ。
そこで河本が考えたのは、まずはパッティングのズレを修正することだった。「開催コースは私がジュニア時代からキャディーのアルバイトをしながらラウンドしていたこともあり、十分知っているので、ショットはなんとかなるかなと」。火曜日の練習日はあえてラウンドせず、トレーナーとパッティングの修正だけに取り組んだ。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
単なる修正ではない。足の裏にかかる重心位置やひざの向き、お尻の位置、頭から腰にかけての体のライン、肩のラインなどアドレスでの姿勢をすべてチェック。さらに、グリップもチェックし、左手の親指と人差し指に力が入り過ぎていたことが判明。それがフォロースルーでヘッドをスムーズに出せない原因となっていたので、中指、薬指、小指の3本に力を入れるように修正した。
「2時間半ぐらいかかりました」というが、それだけで終わるはずがない。第1日はスティンプメーターが11 1/2フィートだったが、それに合わせてテイクバックでヘッドを37センチ引き、フォロースルーでは37センチ前に出す。この動きをひたすら2時間行った。
その甲斐あって、この日のパット数は27パットといい数字を記録した。それが7バーディー獲得にもつながり、65をマークして首位に。大会初制覇に向けてこれ以上ない滑り出しとなった。
「自分は勝つことだけをイメージしているので、今やることは明日に向けての準備だと思います。今日は反省点もあったので、それを修正し、しっかり休んで明日に備えます」。河本にとって、開催コースは日本で一番多く回っているコースとのこと。今年こそ地の利を生かして優勝し、地元の人々に感謝の気持ちを伝えるつもりだ。
(山西 英希)
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