2024.11.14
首位の工藤遥加、今日のゴルフは100点満点
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
第43回大王製紙エリエールレディスオープン エリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)第1日
9月開催の住友生命Vitalityレディスで行われた、朝日インテックpresentsドライビング女王コンテストで優勝した工藤遥加が、苦渋の選択でラウンド途中からドライバーを封印。それが功を奏して、65の6アンダーをマーク。逆転シード入りへ向けて幸先のいい首位での発進となった。
「グリーンのスピードが速く、ピンポジションも考えると、今日のスコアは100点ですね」と振り返った工藤。スタート前は5アンダーを目標にしていただけに、当然の評価といえる。好スコアの要因は大事なところでパッティングが決まったことにあるが、プレースタイルのマネジメントにも注目したい。
「後半はドライバーショットが荒れてしまったので、ティーショットには3番ウッドを使いました」。聞けば、14番以降はドライバーを封印したという。にもかかわらず、17番・パー5、18番・パー4ではしっかりバーディーを奪っている。それもそのはず、ドラコンでは277.7ヤードを記録した工藤だが、3番ウッドでも240ヤードぐらいは出るというではないか。パー5での2オンは難しくても、3打目をウェッジで打てる。実際、17番では3打目を54度のウェッジで打ち、18番では2打目を7番アイアンで打った。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
「今日、コースマネジメントで苦労しなかったのも、3番ウッドでティーショットを打てたからだと思います」。他の試合でも3番ウッドを使うことはあるが、その反面、ドライバーショットに対する思いも強い。「今年のオフは結構ドライバーの練習をしたんです。曲がってもいいのでドライバーで攻めたい気持ちはあります」。シーズン序盤なら、自分の意地を通すのも構わないだろう。しかし、今大会は来季のツアー出場権を決める最後の試合だ。
現在、メルセデス・ランキング60位の工藤は、今大会で単独7位以上がシード入りの条件となる。頭の中では意識していなくても、気になるのが当然だろう。「このコースはフェアウェイがそれほど広くありませんし、無理にドライバーを使う必要はないかなと思い、3番ウッドを使いました」。ドライバーへのこだわりを捨て、この潔さが結果的にいい流れを生んだことになった。
65は工藤にとって今季ベストとなる数字だが、3番ウッドを多用しての結果は予想外の副産物かもしれない。このまま一気に優勝を狙いたいところだが、あえて欲をかかないつもりだ。
「気持ちがそっちにいっちゃうと、緊張したり、体がスムーズに動かなくなるタイプなんですよね」。勝ちたい気持ちを抑えつつ、第2日以降も、ドライバーを最小限に封印して目の前の1打に集中するだけだ。
(山西 英希)
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