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2024.11.24

激闘72ホール 桑木志帆-完全V達成

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2024シーズン最終戦『JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金3,000万円)大会最終日が11月24日、宮崎県宮崎市・宮崎カントリークラブ(6,497ヤード/パー72)で行われ、桑木志帆が通算12アンダーで完全優勝。今季初Vからの3勝目を、公式競技初制覇で飾った。1打差の2位は小祝さくら。3位タイは通算8アンダーの佐久間朱莉、鈴木愛が入った。年間女王の竹田麗央は通算7アンダー、5位。
(天候:晴れ 気温:15.6℃ 風速:2.3m/s)
《グリーン=スティンプ:9 1/4フィート コンパクション:23.5mm》

 72ホール激闘の軌跡は優勝決定後、75分を経てもさめることはなかった。今季3勝目は公式競技初優勝の大仕事。「うれしい」と一度、目を閉じながら言葉を絞り出し、「やっぱり、うれしいとしか出てきません」と、本音が飛び出す。

 2打差をつけて迎えた18番。第1打を右バンカーに入れてレイアップする。残り80ヤードの第3打をピン奥3メートルにつけたが、パーセーブはできない。ウイニングパットを格好よく、決めるシナリオが霧散。それでも1ストロークのアドバンテージを死守して、勝利をもぎとった。

 スタートホールでボギー。これまで経験したことがない苦しさがあった。誰もが勝ちたい。それがメジャーの重圧というものだろう。しかし、いつになく落ち着いていた。2番では3メートルのパーパットが残ったものの、しっかりとカップイン。「連続ボギーだけは、さけたい」という一念で乗り切った。

 この日のハイライトは6-8番の3連続バーディーだろう。6番でグリーンカラーから7メートルをねじ込むと、7番がピン奥から4メートル。勢いに乗って8番ではピン横3.5メートルを決めた。ただし、小祝さくらが序盤から猛チャージを展開しており、一度は首位をあけわたしている。

 「スタートできょうは3打差で、心の余裕があった。7番のティーイングエリアで素振りをした時、ちょっと気がついたことがある。アドレスの重心位置が軽い。それまで、つま先体重だったし、どっしりと地面をしっかり踏むようにしたら、すごくいい1Wのショットが打てた」。失敗は許されない。たとえ、わかっていても実践できなければ価値なし、である。勝負所で即、実行-が進化を示し、真価となった。


<Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images>

 もうひとつ、ポイントをあげるとしたら、11番のパーセーブに違いない。下り4メートルのスライスラインを読み切った。「9、10番で惜しいバーディーパットを外して…。ここでボギーにしてしまうと、すごく展開が苦しくなる」。追い込まれると冷静に-の忍耐力は経験の賜物だろう。

 「成長したのはメンタル。調子が悪くても優勝できることを知りました。それには、どんな時でもトップ10を積み重ねてきたからでしょう。ということで、できすぎの感じはしていません」が本音だった。そうはいっても、年間3勝の重みをしっかりと受け止め、「ゴルフって、怖い。一年でガラッと変わってしまう。だから、年が明けても、去年とは比較をしないことにする。来年の目標は、ここ3年間、ダイキンオーキッドレディスで予選通過がない。開幕戦から優勝争いをすること。しっかり準備をしてきます」。

 身の丈から一歩、一歩というスタイルは新時代にふさわしい。ちなみに、年間イーグル数第1位に輝き、喜びも倍増のファイナルとなった。

(青木 政司)

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