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2024.12.6

荒木優奈パーフェクトV達成『最初が大事』

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 『JLPGA新人戦 加賀電子カップ』(賞金総額1,500万円、優勝賞金270万円)大会最終日が12月6日、千葉県長南町・グレートアイランド倶楽部(6,589ヤード/パー72)で行われ、荒木優奈が通算12アンダーで完全優勝を飾った。2打差の通算10アンダー、2位は永田加奈恵。3位は通算8アンダーの大久保柚季が入った。
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 勝負は何事もスタートが肝心。プロデビュー戦で、荒木優菜が完全優勝を達成した。「楽しむことよりも勝ちたかった。勢いをつけるためには、最初が大事。うれしいです。もっとも、私の場合、出場する試合はすべて勝ちたい-そう思うタイプですけどね」。ホッと胸をなでおろす。

 それでも、前2日とは違い、強風下のラウンドで出入りの激しい一日。ボギー発進はちょっとイヤなムードだった。しかし、「第2日で、2位に3打差を。出だしがボギーでも、まったくあせらなかった。一番はアドバンテージを握っていたことかなぁ」と振り返る。それでも、前半は5-8番までボギーとバーディーが交互に。勝負は当初からバック9である。

 「10番から15番でどこまで、スコアを伸ばせるか、と考えていた。前半の途中からショットの精度が良くなってきたし、自信はありましたよ」という。なるほど、10番でチャンスを迎える。「トップ気味の第2打がグリーンの傾斜に当たって、ピン2メートルまで寄せることができた」と話す。バーディー奪取でゴーサイン。圧巻は13番、7メートルのバーディーをねじ込んでから、3連続だろう。

 とはいえ、独走というわけにはいかない。「要注意」と事前から自身が警鐘を鳴らしていた16番で3パット。17番では第1打をバンカーに入れたものの、しぶとくパーセーブに成功する。最終ホールは安全策でグリーンセンターを狙った第2打が左の池に飛び込んだ。

 「アドレスでグリーンセンターを向いていたつもりだけど、引っかけてしまって…」。結果は2打差だったものの、ハラハラドキドキのエピローグだった。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 アマチュア時からエリートのひとり。数々のタイトルはもちろん、2年連続でナショナルチームに選出された実績は光彩を放つ。ところが、23年の最終プロテスト合格を果たせず、まわり道を余儀なくされている。「最終プロテストを失敗し、しばらくはクラブを握りたくはなかった。だけど、応援してくださる方がたくさん。加えて、今季はJLPGAツアーに推薦をいただき、トーナメントに出場することができました。そのうち、2試合で優勝争いに加わることが…。試合を経験するたびに早くプロになりたい、と力がわいてきた。プロテストで失敗するのは、はっきりした理由がある。だから今年はしっかり準備を整え、合格できた」と分析した。

 まさに、よくいわれる若い時の苦労は-というものだ。「調子がいつもいいわけではありません。ただ、今年は悪い時でも落ち着いてプレーができています」。この日のしぶとさがその証明だ。

 25年に向け、「オフに取り組むことは、ぶれないスイングをつくることです。元々、アイアンショットが得意。フェアウェイキープができれば、バーディーチャンスが多くなりますからね。体力強化もあわせて行う」と宣言した。

 今大会の歴代優勝者には不動裕理、上田桃子など同郷のレジェンドがいる。「プロになる目標を達成したばかりですけど、私にはメルセデス・ランキング1位になる夢があります」とも明かす。大器覚醒のプロローグをしっかり見届け、なんだかこちらまで誇らしくなった。

(青木 政司)

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