イ　ボミが最速で1億円突破。賞金女王へ加速中

　2015年LPGAツアー第17戦『アース・モンダミンカップ』(賞金総額1億4,000万円、優勝賞金2,520万円)の最終日が6月28日、千葉県袖ケ浦市のカメリアヒルズカントリークラブ(6,541ヤード/パー72)で行われ、通算14アンダーで並んだ、イ ボミ(韓国)が、李知姫(韓国)をプレーオフ2ホール目で下し、今季2勝目、通算10勝目をあげた。3位は通算13アンダーで森田理香子。通算11アンダー、4位タイは上田桃子、茂木宏美、大江香織が入った。(天候:晴れ　気温:28.3度　風速:1.8メートル)

　プレーオフ2ホール目の第3打。残り70ヤードで4日間のベストショットが飛び出した。カップまで、30センチ。勝負が決まった。「負けたくないから、いっぱい練習をしました。この距離がうまくいかず、ずっと心残り。ウェッジの距離感がいまひとつだったので、とにかくそれだけを練習してきた」という。通算14アンダーで並んだ、プレーオフ1ホール目。チャンスは李知姫に巡ってきた。ところが1.5メートルのバーディーパットを外してしまう。「見ている人は簡単そうに映っても、あの距離はとてもプレッシャーがかかる。私にはわかりました。チャンスが欲しい。そう思いながら見ていた」。こうなると、一気に流れが傾く。2ホール目の第1打、第2打もパーフェクトだったイ ボミは、「自然体で打てた。70ヤードをパーンと」と自画自賛した。

　今季2勝目で年間獲得賞金が1億円を突破。出場15試合は2011年のアン ソンジュに並び、06年大山志保の8月13日を大幅に上回る最速記録となった。また、通算10勝達成時の出場試合数が113試合。120試合の不動裕理を超え、歴代9位にランクインした。「皆さんから、1億円のことを聞かされた時は、プレッシャーになる、と感じたけど、すぐに、よし行こう、とその気になった。ただ、勘違いしないでほしいのは、私はお金のためにプレーしているわけではない」と苦笑しながら、「今年は絶対に賞金女王を獲る、と誓ったから。そのためにはしっかりと成績を残し、賞金が高いトーナメントでいい成績をあげることがタイトルへの近道です。ビッグマネーは集中力が増すことは確か」と明かす。

　トレードマークは笑顔。コースではギャラリーなどに対しても、微笑み返しでファンが急増中だ。そうはいっても、完ぺきを求めるため、練習を欠かさない。実は、ウェッジの距離感の他にも、しっくりとこなかったのがパッティングだった。前週までは平均パット数1位。そんな名手に狂いが生じてしまった。アドレスに入って、カップを2度見ることが…。「キャディーさんから、指摘されて気が付いた。調子がいい時は、1度だけカップを見る。気が付かなかった。最終日は、アドレスから2秒以内でストロークするように、心掛けた」。

　一方、2週連続で2位と惜敗した李知姫は、「とにかく悔しい。プレーオフの1ホール目はストレートのラインで良かったのに…」と唇を噛んだ。李も今季は、賞金女王が大目標である。またもや、イの独走を許すことになったが、ネバーギブアップを誓った。「この後、ゆっくり休もうと思ったけど、そうはいかなくなった。燃えてきた。2位の悔しさをエネルギーにして、猛練習をします」。

　17週続いたツアーも、後半戦へ。この先は、厳しい暑さも加わる。それぞれ選手が2週間のオープンウイークを、どう有効活用するか。夏女になるのは、いったい－。