2015.8.30
あわや欠場? しかし優勝!イボミが今季3勝目
<写真:Atsushi Tomura/Getty Images>
2015年LPGAツアー第24戦『ニトリレディスゴルフトーナメント』(賞金総額8,000万円、優勝1,440万円)の最終日が8月30日、北海道小樽市・小樽カントリー倶楽部(6,483ヤード/パー72)で行われ、イボミ(韓国)が通算7アンダーで完全優勝。今季3勝目、通算11勝目をあげた。通算5アンダーの2位は渡邉彩香、3位は通算4アンダーで穴井詩。(天候:晴れ、気温:23.0度、風速:2.5メートル)
一か八かの大勝負。今大会のイボミは大きな賭けに出た。「もう、2位はイヤ。27歳になってからの初戦だし、絶対に勝ちたかった。考えたのは、優勝だけ。本当に良かったです」。ハラハラドキドキの展開も、終わってみれば2打差をつけていた。とにかく強い。ましてや、前日から優勝を予告。ベーブ・ルースとはいわないが、より、印象に残る最終日だった。しかし、寝違えであわや欠場の危機に直面。救ったのは、魔法のような針治療だ。
「首が本当に痛くて仕方がなかった。そこで生まれて初めて、針を打つことに…。プロアマ大会の1番のティーショットを打って、痛かったら欠場しようと思ったぐらい。それが優勝できるなんて、夢のよう。不思議です」と、打ち明けた。首には置き針といわれる、患部に針を打ったままの状態でプレー。日に日に調子が右肩上がりで、最終日には置き針も必要なし。
ところが、違和感がなくなれば、攻めたい、という気持ちがわきあがってくる。その気持ちをコントロールするのが難しかったという。「キャディーの清水さんから、120回ぐらい『落ち着いて』といわれました」と笑っていた。一時は、渡邉に首位を明け渡したが、13番から圧巻の3連続バーディーで見事な復活劇を披露。「27歳のプレーをみせる」とは、こういうことだった。この日、4位タイでフィニッシュし、史上4人目の生涯獲得賞金、9億円を達成した李知姫は、イの強さをこう解説する。「ボミちゃんは今年、アイアンショットの切れ味がすごい。だから、2-3メートルのバーディーチャンスをたくさんつくる。確率の問題で、チャンスが多ければ、成績が良くなる、といういい流れに乗っていると思う」。
しかし、見えないところで人一倍、トレーニングを重ねていることは、あまり知られていない。通常、最終日の翌日の月曜日、大半の選手は休養に充てる。ところが、イはリカバリートレーニングを。よく、サッカー選手などが行う回復策だ。ストレッチを入念に行い、とにかく走る。ゴルファーもアスリートに変わりはない。「トレーニングをすると、いいお昼寝ができます」。当然ながら、今シーズンのように、安定した状態をキープできる。すべては目標に掲げた賞金女王に輝くため。有言実行で、またもやビッグタイトルに近づいた。ピンチをチャンスに変えた、イ。恐るべし-。
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