2015.9.12
タイレコードの上田桃子『勝ち方をみつけたい』
<写真:Chung Sung-Jun/Getty Images>
2015年LPGAツアー公式戦『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額1億,4000万円、優勝賞金2,520万円)の第3日が9月12日、長崎県長崎市のパサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(6,735ヤード/パー72)で行われた。タフなコンディションにスコアを崩す選手が続出。ところが、公式戦最少ストロークタイ記録の64と、驚異的なスコアをマークし、一気に浮上したのが、上田桃子。通算6アンダーで、テレサ・ルー(台湾)とともに首位タイへ。2打差の3位タイは、イボミ(韓国)、酒井美紀。最終日、女子プロ日本一に輝くのは、いったい-。(天候:晴れ 気温:26.6度 風速:4.1メートル)
ムービングデーのこの日、23人抜きと圧巻のプレーで上田桃子が首位に立った。「パッティングが良く入った」と感想を話した後、思わずため息が漏れた。1イーグル、6バーディーの内容でマークした『64』は、公式戦18ホール最少ストロークタイ記録。ただし、疲労の色が濃く表れていたのは、タフなセッティングで集中力を切らさなかった証明でもある。「何か、トラブルがあったら前の組と間隔があいてしまう。そういうことも想定して、走りながらのラウンド。しかし、集中は全く途切れることがなかった」。
キーホールは9番・パー5。残り130ヤードの第3打を9Iで直接、カップインし、イーグルを奪ったことで、「気持ちが少し楽になった。距離の短い前半でスコアを伸ばしたいと思っていましたから…」と振り返る。そうはいっても、ハイライトは終盤にやってきた。15番から4連続のバーディーフィニッシュにギャラリーも舌を巻く。これがトッププロの技。同じ首位のテレサ・ルーが「どうしたら、そんなスコアを出せるのか、話を聞きます」と目を丸めたほどだった。
とはいうものの、プロでも驚くパフォーマンスにも上田は落ち着き払っていたのは、勝利を意識しているためだ。今シーズンの目標を開幕直前に「年間10勝」と宣言。ところが、故障が多く、1勝が遠いのが現状だ。「公式戦のタイトルは、ずっと目標のひとつ。だから最終日は、自分のスタイルでチャレンジしていく。ここまでやれることはすべて行ってきたから、それを表現したい」と前置きして、「(年間10勝は)イボミさんの今年の戦い方をみていて、とにかくひとつずつ取っていけば、可能だと感じている。私自身、底上げはできていることは、データでもわかる。だけど、勝てないのは、長所が出ていないから…。それから、結果を出すためには、運も必要です。もちろん、運を呼ぶためには、来るまでガマンをしないといけませんね」と心情を吐露した。
今季は、未勝利というものの、賞金ランキングでは4位。日本人選手で最上位だ。一見して、24時間、ゴルフ漬けの印象を受ける上田だが、気持ちの切り替えをはっきりさせていることも明かしている。「ゴルフのことを考えるのは夕食前まで。それ以降は、楽しいことだけを考える。今回は、この試合の後、仕事で福岡へ行きます。終わったら、家族でショッピングをする。何を買おうか? 寝る前にもそんなことを考えていますね。もっとも、家族からは、『だから、稼いできてね』といわれているけど…」。まず、1勝。すべては、そこからだ。
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