2015.9.13
テレサ・ルー劇勝! 女子プロ日本一で3冠達成
<写真:Chung Sung-Jun/Getty Images>
2015年LPGAツアー公式戦『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(賞金総額1億,4000万円、優勝賞金2,520万円)の最終日が9月13日、長崎県長崎市のパサージュ琴海アイランドゴルフクラブ(6,735ヤード/パー72)で行われ、通算7アンダーでテレサ・ルー(台湾)が女子プロ日本一に輝いた。公式戦に強く、これが昨年の『日本女子オープン』、『LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ』に次ぐ、3勝目。2打差の2位タイは、通算5アンダーで酒井美紀、上田桃子が入った。(天候:晴れ 気温:26.1度 風速:5.0メートル)
メジャーハンター。またも、テレサ・ルーは公式戦で無類の強さを発揮した。18番で2メートルのバーディーパットが決まると、笑顔がはじける。きっちりと、17番のリベンジを果たし、「ゲームは完成した」。最大の見せ場は、パー3の17番だった。7Iでのティーショットが池へ飛び込む、大ピンチ。ここをボギーでしのぎ、首位をキープした。見事なまでのリカバリー術で、グイッと勝利を引き寄せる。「16番でバーディーがとれたから、大興奮。喜びすぎて、緊張感が途切れたのでしょう。リズムが崩れた」と振り返った。そうはいっても、ガックリはしない。「本当にひどかった。おもしろいぐらいでしたね」。照れ笑いというより、大笑いをしながら打ち直しの地点へ向かっていった。
勝負にミスはつきもの。18ホール、すべてが完ぺきに-とはいかない。ミスを最小限にとどめることが、直面する課題。がっかりしたり、反省することは、ホールアウト後にすればいい。笑う門には福が来るものだ。ルーの真骨頂を、ギャラリーも知ったことだろう。それだけではない。攻撃は最大の防御のたとえ通り、18番のティーショットが素晴らしかった。「今度は自分のリズムで思い切りクラブを振りました。すっきりです」とも。「最終日は、本当に難しかった。コースコンディションだけではなく、ムードもそう。だけど、パーをキープしていけば、必ずチャンスーがやってくる。そう信じながらプレーを続けた」。
序盤はイボミ、アンソンジュといった、手ごわいライバルたちがスコアを伸ばす展開だった。一方のルーは、8番までジッと我慢し、9番で攻める。第2打がグリーンオーバーしたものの、この日、はじめてのバーディーを奪う。「グリーンがとても硬い。ボールがオーバーするリスクを負うつもりでいた。レイアップも考えたけど…。100ヤードで刻むのはつまらないからです」。ゲーム感覚でプレーする。これも身上だ。
それだけに、「脳を使う、こういう難しいコースが好き。1打毎に考えることがおもしろい。だから、ゲームでしょう」と解説する。そんなルーも2013年、『ミズノクラシック』で初優勝を飾るまでは、何度も敗戦を経験。「ひとつ勝ったら、自信がつきました。それからです。自分のゴルフができるようになったのは。確かに、そこまでは勝てそうで勝てないことがたくさんあった。だけど、負けたことで、自分に足りないもの、直すところがわかる。練習のテーマを発見できるから、落ち込むことなんてなかった。たくさんの経験が、きょうのタイトルをもたらしてくれたと思う」と語っている。
今季4勝目は、賞金女王のタイトルを争う、首位を快走中、イボミの3週連続優勝をストップさせた。「賞金の差がありすぎる。まだまだです」と、これまで通り、無欲を強調。史上3番目の若さでキャリア3冠を達成した女子プロ日本一は、太陽の光が降り注ぐコースと、それを取り巻く海の絶景を、心にも焼き付けることを忘れなかった。
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