2015.10.4
メジャーハンターが薄暮の死闘を制す
<写真:Atsushi Tomura/Getty Images>
日本ゴルフ協会(JGA)主催の2015年度LPGAツアー公式戦『日本女子オープンゴルフ選手権競技』(賞金総額1億4,000万円、優勝賞金2,800万円)の大会最終日が、10月4日(日)、石川県加賀市の片山津ゴルフ倶楽部白山コース(6,613ヤード/パー72)で行われた。
勝負の行方は、この日スコアを伸ばした李美香、チョンインジと菊地絵理香のプレーオフに持ち込まれた。3ホール目で、パーをセーブできなかった李が、まず脱落。4ホール目でボギーとしたチョンに対し、菊地はボギーパットを決められず、チョンが優勝を飾った。チョンは、5月の『ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ』に続き、国内公式戦2勝目。この勝利で、公式戦2勝達成時の最年少記録を21歳55日に更新した。(天候:晴れ、気温:21.3℃、風速:4.3メートル)
白熱のナショナルオープンの最終日は、最後に誰も予想していなかった最終章を用意していた。2アンダーで競技を終え、最終組のプレーを待っていた李美香とチョンインジ。単独リーダーで18番ホールを迎えた菊地絵理香が、ウイニングパットとなるはずだったパーパットを外した瞬間、3つ巴のプレーオフへの突入が決定した。
「楽しみながらやろう」。戦いの延長が決まった時、チョンはそう思ったという。そしてさらに秘策を練った。プレーオフは18番パー4(423ヤード)の繰り返しで行われる。距離の長いタフなホールだけに、セカンドショットで必然的に距離が残る。そう考え8番アイアンを抜いて、19度のユーティリティを入れたのだ。4ホールに及んだ、我慢比べのプレーオフ。果たしてそのユーティリティを使った場面はあったのだろうか。「3ホール目と4ホール目で使いました。4ホール目は特にしっかり当たりました」。結果は、4ホール目で勝負あり。チョンの見事な作戦勝ちだった。
これで5月の『ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ』に続く国内公式戦2連勝。「一昨年からこの試合に出たいと思っていました」と恋い焦がれた舞台で、これまで宮里藍が持っていた国内公式戦2勝達成時の最年少記録「21歳83日」も「21歳55日」に、あっさり更新してみせた。「全米女子オープンで優勝して、別の国のナショナルオープンに出てみたかった。日本のメジャーの雰囲気を味わってみたかった」と語ったが、存分に堪能した今週の76ホールの戦いだっただろう。「日本に来たらおいしいものを食べてます。納豆は毎日食べてます」と目を輝かせる姿は、どこにでもいそうな21歳だが、ひとたびクラブを握れば、どんなコースでも攻略してしまいそうな風格が既に漂っている。美しいメジャーハンターの快進撃は、まだまだ続きそうだ。
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