2022.4.10
上田桃子『私の日に-』宣言で逆転V
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2022シーズン第6戦『富士フイルム・スタジオアリス女子オープン』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が4月10日、埼玉県・石坂ゴルフ倶楽部(6,475Yards/Par72)で行われ、上田桃子が逆転優勝。通算9アンダーで今季初Vを飾った。JLPGAツアー通算17勝目。3打差の通算6アンダー、2位タイに稲見萌寧、西郷真央、福山恵梨、沖せいらが入った。
(天候:晴れ 気温:25.9℃ 風速:1.6m/s)
《グリーン=スティンプ:10 3/4フィート コンパクション:23.5mm》
3人の桃子が優勝争い。大いに話題を集めた最終日の主役は、知名度、テクニック、気迫で勝った上田桃子がつとめた。JLPGAツアー通算17勝目。約1年ぶりの優勝だった。「今年は開幕から手応えが違った。でも、ここまで結果が出ていない。悔しいなぁの毎日です。しかし、やっと勝つことができた。とはいえ、最後(18番)でミスをしているようでは、まだまだ…」。
求道者ともいえるほど、自身に厳しい。結果オーライではすませない。このあたりが、ベテランといわれるようになっても第一線で活躍するエネルギーの源だ。この日は2打差を追いかけ、最終組の前でスタート。「きのう、上位に桃子が3人。すごいなぁ。素直な気持ちで本当にうれしかった。3人が揃うなんて、なかなかない。話題にもなっている。だから、絶対に私の日に-」と誓っていた。
それだけに、「優勝争い最終日の前夜は、いろいろなことを考える。だけど、今回は私が勝つ-覚悟をもって臨んだのは久々でした」とも加える。気迫がみなぎった。チャンスは逃さない。パー5の1番、210ヤードの第2打。5Wでピン奥4メートルの2オンに成功した。「左足下がりで、つま先上がりのライ。フェードボールを打たなければならない。この後のメジャーでも必要なショット。これなら、使えるという手応えを得た」という。
イーグルパットを楽々と決めて、続くパー3の2番では9Iでピン奥2メートルへ。バーディー奪取で、私の日にする態勢を整えた。ただし、楽な勝利などひとつもない。「4番までは完ぺきな内容。ところが、5番でバーディーチャンスから3パットでした」。今大会、コースセッティングを担当したのは、同級生の諸見里しのぶだった。
「彼女が熱心に何度もコースへ通って、苦心に苦心を重ねた大会です。いいショットにはごほうびがもらえるけど、ピンポジションなど本当に難しい。ただ、そこへピンを切っているわけではありません。振っている。誘っている。ずっと脳をフル回転させた。このホール、どんな意図があるのだろう、と打つ前に考え、楽しかったですよ」と前置きし、「私たち、同級生がツアーで刺激になる結果を出し続ければ、やっぱりツアーはいいと思ってくれるでしょう」と、もっと選手として大会へ出場してほしい。そんなメッセージを遠回しに送っている。
一方、出場権を得た全米女子オープンのエントリーを済ませたことを明かした。「あの大会では、こてんぱんにされることが多い。それだけに、今回のような難しい状況で3日間、60台のスコアをマークしたことが大きいです。こういう積み重ねがメジャーで生かされるから」と話した。
新しいプレースタイルへも挑戦。7番・第2打は、ラフからパターを選択し、しぶといパーセーブを披露する。「ピンまで10メートル以上あって、上って下ってのラインです。さらに、すぐ後ろに木があった。グリーンの外からパターで対応できたことも大きい。今年、替えた新しいパターはタッチを合わせやすい」と収穫に満足そうだったが、「18番は、フェアウエイキープをするために、わざわざ第1打を3Wに。にもかかわらず、ダフっているようではいけない。難しいホールをより難しくした」と猛省である。
年女の今年は、36年に一度の五黄の寅。最強の運気が到来しているからこそ自身へ、より厳しくなった。
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