2022.7.3
青木瀬令奈 人生を変える3勝目は予告Vで達成
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2022シーズン第18戦『資生堂 レディスオープン』(賞金総額1億2000万円、優勝賞金2160万円)大会最終日が7月3日、神奈川県横浜市・戸塚カントリー倶楽部(6570ヤード/パー72)で行われ、青木瀬令奈が大会新の通算14アンダーで今季初優勝。ツアー通算3勝目を、前日から予告した逃げ切りで飾った。吉田優利、黄アルムとともに通算12アンダー、2位タイへ入った菊地絵理香は生涯獲得賞金6億円を突破。
(天候:曇り 気温:31.0℃ 風速:3.4m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/4フィート コンパクション:23mm》
結果が伴えば、言葉にできることがある。約1年ぶりの優勝を飾った、青木瀬令奈は、「人生を変える3勝目。気持ちのコントロールがうまくできた。覚悟を決められた。以前は、どこかに(振るわなかった際の)言い訳を用意していたから…」と、満足そうだった。
堂々の優勝。強かった。しかも、前日の公式会見で、「逃げ切り」を予告。首位で迎えた最終日、最終組で「勝ち切ることができた」ことに満足そうだ。
気力が充実していた。覇気をボールへ込める。自身も絶賛した一打は、10番の第3打だった。グリーン左奥からピンまで15ヤード。「最近、チップインをしていないねぇ」とキャディーをつとめる大西コーチから、さりげないひとことが効いた。鮮やかなチップインを決める。
スタートから連続ボギー。ちょっと怪しくなったムードを、やられたらやり返す-とばかりに連続バーディーで取り返した。勝負は後半。10番で勢いがつき、クラブを操る技がさえる。パー3の11番は3Wで勝負。「狙い通り。カップから距離はワングリップぐらいです。このオッケーバーディーは、ちょっとほっとする材料でした」と話した。
さらに12番では7メートルのバーディーパットを沈めている。結果からいえば、これで勝負あった-のシーン。「17年の初優勝は、最終組から1時間も前にホールアウトして、結果を待った。中止をはさみ、2日間競技。上位選手がこぼれ落ちてきたから周囲からも、次はちゃんとした優勝で、とリクエストがあり、私自身もそう思った」という。
ところが、昨年の宮里藍 サントリーレディスオープンで2勝目を飾るまで、4年のブランクがあった。「4日間、フルに戦って最終日にスコアを伸ばして勝った。とても評価をできるものですけど、もっと強く-」。以来、より結果へこだわるようになった。あきらめない。最終日には、どんな順位でも優勝を狙う。心意気が違うのだ。
スタイルも変化。「試合の一発にかける」ようになった。たとえば、今大会はフェアウエイキープを最優先。地上2センチにボールがくるように、ティーを低くした。ところが、スタート前の練習では、高いティーでスイングもアッパーに。対照的なことを行い、慣れを抑止する。ワンショットに緊張感を与える効果を引き出す。
パターにしても独特の調整を。「今年は、練習日は、試合と違うパターを使っている」と明かす。試合は34インチだが、練習日とプロアマ戦は32インチで。「パッティングは同じところにボールを置き、同じ体重配分でストロークをしたつもりでも、何かが違うとずっとストレスを感じる。それなら違う感覚を挟んで、リセットした方がいい」と工夫をこらしている。「すべては結果を出すためです。練習では、いくら失敗しても構わないでしょう」との言葉には、なるほど-と声を出したくなった。
プロにとって、名誉は獲得賞金にも表れる。小学生から「追っかけでした」という歴代獲得賞金1位の不動裕理へ近づくことが大目標。この日、3億円を突破した。「10億円を稼げる選手になりたい」と志を語る。となれば、もっともっと精進が必要だ。練習ではない。ライブが命。テイクワンで最高のパフォーマンスを引き出す方法を求め日夜、試行錯誤が続く。
(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
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