2023.7.29
単独2位の櫻井心那は50-120ヤードの距離が肝
<Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images>
楽天スーパーレディース 東急グランドオークゴルフクラブ(兵庫県)第3日
まさに対照的なイーグル奪取だった。最終18番・パー5で鈴木愛は軽やかなアプローチを見せてイーグルを奪ったが、櫻井心那は『剛』のゴルフでイーグル奪取に成功した。というのも、このホールは533ヤードあるが、櫻井のティーショットはピンまで残り233ヤード地点へ。フォローではあったが、単純計算ではドライバーショットが300ヤード飛んだことになる。実際、この日のドライビングディスタンスは274.0ヤードでトップ。風やラン次第で300ヤード近く飛んでも不思議ではない。ただ、第2打地点から3番ユーティリティを使い、ピン手前6メートルに乗せ、それを1パットで沈めた技術は讃えられるべきだろう。
ゴルフの場合、ドライバーショットで飛距離を稼ぐだけではスコアに結び付かない。プラスアルファを何に求めるかは選手によるが、櫻井は100ヤード以内の距離を正確に打つことに活路を最近見出した。「資生堂 レディスオープンの練習日から重点的に行うようにしていますが、最近はその距離からOKバーディーの距離に落とす確率が上がっています」と自信ありげだ。
聞けば、ショット練習の70-80パーセントは100ヤード以内のショットに当てているという。もちろん、100ヤード以内といっても漠然なのでもう少し詳しく聞いてみた。
「正確にいうと50ヤードから120ヤードの距離です。基本的には、50-80ヤードまでを58度のウェッジで打ち、80ヤード以降は52度、46度のウェッジを使っています。そのうち、95-115ヤードまでは5ヤード刻みで打てるようにしています」。
資生堂 レディスオープンでは、早くも練習の成果が表れ、JLPGAツアー初優勝を飾ることができた。飛距離でアドバンテージを奪える櫻井が50-120ヤードの距離をベタベタつけてきたら今回のように5連続などバーディーラッシュとなるのは当然だろう。
第3日を終えた時点で、首位の鈴木との差は2打しかない。前回は無心に近い状態で戦った結果、プレーオフの末に勝利を手にした。「今回は偶然勝ったとかではなく、最初から優勝を狙って勝ちたいと思います」と力強く語った櫻井。実は、大会第1日から1日5アンダー、4日間で20アンダーを目標としており、この日の65でようやく目標ラインに追いつくことができた。そのせいか、「最終的な目標は21アンダーにします」と微妙な修正をした櫻井。鈴木次第ではあるが、目標達成ならツアー2勝目の確率もグッと上がるのは確かだろう。
(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
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