2024.3.10
“技体心”充実の鈴木愛、ツアー通算19勝で初の4日間完全V
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン第2戦『明治安田レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が3月10日、高知県香南市・土佐カントリークラブ(6,273ヤード/パー72)で行われ、鈴木愛が2位へ6打差をつけ通算16アンダーで優勝。ツアー通算19勝目を自身初の4日間競技完全Vで飾った。2位タイに通算10アンダーで高橋彩華、藤田かれん、小祝さくらが入った。
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昨年からトレーニングに取り組み、体力アップに成功したと語っていた鈴木愛。それを証明するかのように、自身初の4日間大会での完全Vを達成した。「これまで優勝した中で、これほどまでに体がきつくない優勝は初めてに近いです」と、まさに会心の勝利だった。
ただ、結果を見れば2位以下に6打差をつけたが、序盤は楽な展開ではなかった。スタートの1番ホールでこそバーディーを奪ったものの、2番、3番で連続ボギーを叩く。2位につけていた小祝さくらが3番でバーディーとしたことで、5打差が一気に2打差へと縮んでしまったのだ。ティーショットがバンカーのアゴ近くに止まるなどの不運や、難しいラインのパーパットを残したことが原因だが、4番ホールのティーイングエリアで待ち時間があったことが幸いした。
「ボギー、ボギーときて、嫌なムードもありましたが、少し時間を置いて冷静に考えられたのは良かったですね。1つ間ができたことでキャディーさんとの会話も増えましたし、あの間が大きかったかなと」。気持ちの整理がついたのか、その後の15ホールでは3バーディー、ノーボギーにまとめた。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
体力だけでなく、ショットの正確性も向上したことが、4日間で16アンダーをマークできた要因だが、今大会での平均パット数が28.25(3位タイ)と安定したパッティングも見逃すことはできない。それを支えたのが、今年から使用するピン・PLD Kushin Cだ。「22年のオフに、どうしてもアンサータイプのセンターシャフトが欲しいと頼んでいたんですが、昨年のTOTOジャパンクラシックのときに受け取ったんです」。当時使用していたパターが好調だったため、すぐに替えることはなかったが、今年のオフから使用し始めると、打った感じと転がる感じがマッチしたことで、エースパターに昇格したという。
今回の優勝でツアー通算19勝としたが、これで目標とする永久シードまであと11勝に迫った。今年の5月で30歳を迎えることを考えれば、十分達成可能だと言える数字だろう。ここ数年は優勝争いに絡みながら敗れた試合もいくつかあり、それを打開するだけでなく、さらに一歩先を行くために始めたトレーニング、スイング改造でもある。
「優勝争いをしていても、いつでも突き放せるぞというところまでショットの精度を上げたいです」。今後も絶えることのない上昇志向を持ち続ける限り、永久シード獲得まで意外と時間がかからないかもしれない。
(山西 英希)
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
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