2024.5.16
暫定首位の河本結、テーマは『頑張らない』
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン第12戦『ブリヂストンレディスオープン』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が5月16日、千葉県千葉市・袖ヶ浦カンツリークラブ 袖ヶ浦コース(6,731ヤード/パー72)で開幕した。降雨によるコースコンディション不良の為、7時44分、競技が中断。その後、9時28分に競技が再開したものの、18時32分、日没によりサスペンデッドが決定した。9組27人が第1ラウンドを終了できず、大会第2日の17日、6時30分から競技を再開予定。暫定首位は7アンダーの河本結と岩井明愛。1打差の暫定3位、6アンダーに髙木優奈。
(天候:曇り 気温:19.6℃ 風速:1.3m/s)
《グリーン=スティンプ:11 3/4フィート コンパクション:23.5mm》
河本結にとって、ジレンマが続く。ゴルフ自体の調子は悪くないだけに、当然のように優勝を狙いたい。ところが、優勝を意識するとバーディーを欲しがり、無理な攻めをしがちになる。上手くはまればスコアを伸ばせるが、一つ間違えば大叩きにもつながりかねない。それを理解しているからこそ、2週前のワールドレディスサロンパスカップでは「無欲でプレーすること」に徹した結果、9位タイでフィニッシュした。
しかし、上位に入るとどうしても優勝してほしいという声が周囲の人間やファンの中から出てくる。「『優勝できるよ』とか、『頑張ってね』と声を掛けられると、それに応えようと頑張ろうとするじゃないですか。その結果・・・」。前週のRKB×三井松島レディスでは優勝するつもりで臨んだが、47位タイに終わった。
頑張り過ぎた結果、過度なトレーニングやキャパシティ以上の練習量をこなしてしまい、大会前に右足首を痛めてしまったという。
「なので、今日はとにかく頑張らないことを意識していました。実際に頑張らずにプレーできたので、いい1日だったと思います」
前半のハーフでは自己ベストタイとなる30をマーク。後半のハーフでもスコアを1つ伸ばした。気がつけば、7アンダーまでスコアを伸ばし、暫定ながらも、22年マスターズGCレディース以来の首位に立った。それでも調子に乗ることはない。今日の自己採点は70点と厳しい。「15番・パー4での2打目を行ってはいけないところへ打ってしまい、ボギーとしたからです」と、悔しい表情を見せる。その反面、冷静なゲーム運びをできたことには笑顔を見せる。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
「スタート前に激しい雨に見舞われましたが、スタート前ギリギリに中断になったことはラッキーだったと思います。ただ、アンラッキーもくるだろうなと思っていたので、多少のトラブルには動じませんでした」。そのトラブルとは、11番ホールで第2打をバンカーに打ち込んだときのライだ。なんとボールが溝にすっぽりとはまっていた。仮にここで運のなさを嘆いていたらミスしたかもしれないが、アンラッキーを覚悟していた分、上手く対処できてパーセーブしている。
ただ、この日は河本にとってラッキーの方が多かったかもしれない。8バーディーを奪っているが、そのうち半分は9番アイアンでチャンスにつけてのものだ。「他の番手と迷うことなく、打てたのもラッキーだったかもしれません」。迷わなかった分、リズムよくクラブを振ることができ、バーディラッシュにつなげることができた。
「明日もとにかく頑張らないことを意識しながら、自分の1打に集中したいと思います」。ワールドレディスサロンパスカップでは9位タイとなったものの、第3日までは5位をキープしていた。最後まで優勝を意識しなかったといえば、ウソになる。今週は、どこまでその気持ちを抑えることができるか。河本にとって重要な問題であることは間違いない。
(山西 英希)
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