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2024.5.25

16人抜き 奥山純菜が大逆転-プロ初V

<Photo:Kenta Harada/Getty Images>

 JLPGAステップ・アップ・ツアー2024シーズン第6戦『地域みらいグル-プレディス佐嘉窓乃梅カップ』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が5月25日、佐賀県武雄市・武雄ゴルフ倶楽部(6,385ヤード/パー72)で行われ、プロ2年目の奥山純菜が逆転で初優勝を飾った。勝負は通算10アンダーで並んだ皆吉愛寿香とサドンデスのプレーオフ(PO)へ。2ホール目、アドバンテージを握った奥山が17位タイから、大接戦をモノにした。1打差の通算9アンダー、3位タイは木下彩、種子田香夏、吉川桃。

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 最後までフルショットを貫いた。奥山純菜の勝因である。プレーオフ2ホール目は10番へ移動して行われた。ティーイングエリアで感じたことは左からの強風。プレッシャーを感じる暇などなかった。

 「先に打った皆吉さんの第1打が相当、右へもっていかれてOB。ちょっとでも緩んだら同じ結果になる。もう、思い切ってクラブを振り切るしかない」と、覚悟が決まる。アドバンテージを握り、強気に行った。そして、グリーン奥からの第3打へ全集中。残り8ヤード、58度で20センチへつけた。ウイニングパットをあっさり沈めると、待ちに待ったプロ初優勝である。

 「今年の目標が優勝することでした。今季はここまでなかなかいい成績が出せずにいて…。きょうはビックリです。だけど、すごくうれしい」と満面に笑みをたたえた。

 最終日、17位タイからのスタート。ノンプレッシャーで攻めることだけを徹底した。スタートでグリーン奥からチップインバーディーに成功。何かある-というドラマのプロローグだった。前半、4バーディーを奪取。「とてもいい流れでハーフターン。ひょっとしたらの心持ち。だけど、去年まで優勝を狙える順位でいても最終日にスコアを落としていた。よけいなことは考えない。いっぱいバーディーをとることだけです」と振り返った。

 とはいえ、優勝を意識しなければいけない状況が待っている。パー5の最終ホールは、もちろんバーディー狙い。この日、大いに活躍した58度がさらに輝く。残り15ヤードの第3打を1メートルへ運んだ。「これだけは外せない。気合が入った」とも。最終組の7組前でスタートしただけに、クラブハウスリーダーとして戦況を見守った。


<Photo:Kenta Harada/Getty Images>

 「まさか、プレーオフになるとは思わなかったけど、ドキドキしながら練習を再開。同期の皆吉さんとプレーオフができて、すごくうれしかったなぁ」といいながらも、「プロになる前、プレーオフの経験が一度あって、その時は負けました」。負の記憶を脳裏から一掃し、決戦へ向かった。

 プレーオフ1ホール目は、ともにバーディー。第1日から大混戦が続き、足を運んだギャラリーも勝負を堪能したことだろう。「応援の声が九州の方言でした。皆吉さんは鹿児島。私は熊本でとても親しみやすかったと思いました」と話している。

 次週27日、ヨネックスレディスの主催者推薦選考会へ挑戦。「しっかり通って、JLPGAツアーへ出場したいです」。喜びに浸る暇もない。目標が次々とできることが、プロ冥利である。「大きな声では言えないけど、USLPGAツアーでプレーしてみたい。ゴルフをはじめた頃からのあこがれなんです」。大志が16人抜きのエネルギーの源だった。


(左)奥山友梨 (中)奥山純菜 (右)高野あかり <Photo:Kenta Harada/Getty Images>

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