2024.5.26
岩井明愛、逆転で4日間大会初制覇
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン第13戦『リゾートトラスト レディス』(賞金総額1億4000万円、優勝賞金2,520万円)大会最終日が5月26日、兵庫県三木市・関西ゴルフ俱楽部(6,545ヤード/パー72)で行われた。混戦を抜け出した岩井明愛が68で回り、通算15アンダーで今季初優勝、ツアー通算4勝目を飾った。3打差の通算12アンダー、2位には66で猛追した竹田麗央。通算11アンダー、3位タイに桑木志帆、金澤志奈が入った。
(天候:晴れ 気温:26℃ 風速:4.7m/s)
《グリーン=スティンプ:11 2/3フィート コンパクション:24mm》
昨年ツアー3勝を挙げ、メルセデス・ランキング3位に入った岩井明愛。当然、今年も複数回優勝を目指して開幕を迎えたが、前週まで11試合を消化した時点では未勝利に終わっていた。どうしても比較されがちな妹の千怜が2勝を挙げていただけに、少なからず焦りもあった。竹田麗央のように活きのいい若手の活躍も気になる。ただ、前週は体調を崩しながらも今季最高の5位タイに入ったことで、徐々に調子を取り戻してはいた。
第3日を終えて、首位と1打差の通算11アンダー。最終日は逆転を狙ってスタートしたが、多少の緊張感があったことは否めない。1番フェアウェイ中央からの第2打は、力みもあってグリーン左奥のラフへ。ピンまでは距離が短く、しかも下り傾斜だ。アプローチはどうしても強く打ち切れず、5メートルほどショートする。続くパーパットも1メートルショート。下りの難しいラインが残ったが、それをしっかりと沈めたことで、ようやく気持ちが落ち着いた。
「アプローチも怖かったですし、インパクトが緩んでしまったのも事実です。ボギーパットも結構ヒヤヒヤでしたが、入れた時はまだ大丈夫だなと思いました」。仮に、このホールをダブルボギーとしていたなら、また違った展開になっていたかもしれない。
前半をパープレーで終えた岩井だが、後半は4バーディー、ノーボギーとスコアを伸ばし、通算15アンダーでホールアウト。終わってみれば、2位以下に3打差をつける圧勝だった。
「嬉しい気持ちもありますが、ホッとした気持ちも大きいです」と笑顔を見せた岩井。昨年の成績が良かっただけに、周囲からの期待も大きくなっていた。そんなプレッシャーを跳ね返しての優勝だけに、喜びもひとしおだ。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
岩井の武器は何といってもショット力にある。昨年のパーオン率は1位だったが、今季も今大会終了後1位に躍り出た。方向性と距離感の良さに加え、積極的にピンを狙う気持ちの強さもある。今回はアンジュレーションが大きいワングリーンだったが、基本的にはピンと同じ段にボールを止めるつもりで打つという。しかし、ピンが下の段にあり、なおかつグリーン手前にバンカーがあるときは、無理にピンを狙うことなく、上の段でもいいと思って打つ。そういうメリハリをつけて臨機応変にグリーンを狙うからこそ、自然とパーオン率も上がるのだろう。
岩井も次戦は全米女子オープンとなるが、今季米女子ツアーで8戦6勝のネリー・コルダに注目したいという。「どんなショットをして、どんなパッティングをしているのか、その技術を観たいですね」と目を輝かせる。近い将来には米女子ツアーへ参戦したい意向があり、どれだけ通用するのかをじっくりと確認したい気持ちも強い。産みの苦しみを味わいながら挙げた今季初勝利。4日間大会での優勝は自身初だが、また一つ岩井を大きく成長させたかもしれない。
(山西 英希)
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