2024.6.16
父の日は岩井明愛 大逆転で今季2勝目
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン第16戦『ニチレイレディス』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が6月15日、千葉県千葉市・袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース(6,584ヤード/パー72)で行われ、岩井明愛が大逆転。64をマークし、通算13アンダーで今季2勝目、通算5勝目を飾った。1打差の12アンダー、2位タイは佐久間朱莉、小祝さくら。竹田麗央が通算11アンダー、4位だった。
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《グリーン=スティンプ:11 1/4フィート コンパクション:23mm》
最終日の展開は、ザ・ワクワク・ドキドキ。最後の最後まで誰が優勝するのかがわからない、大会史上に残る大激戦だった。接戦をモノにした岩井明愛は、「めちゃくちゃ楽しかった」と、興奮を隠せない。
それにしても、見事な逆転劇だ。プロ冥利に尽きる一日となった。勝負を賭けた最終18番。「同組の(小祝)さくらさんが2オン。バーディーは確定したようなものでした。イーグルもある。だから、私は絶対にバーディーを決めなくてはいけない」。結果はウイニングパットとなったが、ピンから3メートルのパッティングに全身全霊を込めた。スライスラインをしっかり読み、しかも気迫がみなぎる。「強気で打った」。バーディーを決める。
3打差を追いかけ、5位タイからスタート。7番からの4連続バーディーでV争いに加わった。そして、13番で首位へ並ぶ。同組でプレーする小祝も好調。それだけに16番、グリーン右手前バンカーからの第3打が、強烈なインパクトを与えた。ショットインバーディーの離れ業。「とにかく、素晴らしかった。終盤、私もいいプレーをしたけど、明愛さんは完ぺきです」と、小祝が絶賛するほどのスーパーテクニックを惜しみなく披露した。
3連続バーディーフィニッシュで最終組の行方を見守っている。が、1ストロークのアドバンテージは揺るがなかった。ところが、前日まで絶好調には、ほど遠いムード。しきりに、「スイングで気持ち悪さが残って・・・」と首をひねっていたのだ。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
2週前、全米女子オープン時から「バックスイングにかけて、違和感が残る。それを矯正するため、今回はテークバックからダウンスイングをより注意しながら、素振りをするルーティンを加えた。今まではスッと打っていたけど、きょうはかなり意識しながらです」と、試合中の修正力もアピール。
というのは、「まさか、優勝するなんて思ってもいなかったし、きょうの父の日だから、思い出に残るようなワンショットができればと考えた」そうだ。ちなみに、そのベストショットは「12番、第2打です」と振り返った。己を取り戻すことができたといえるだろう。
さらに、威力を発揮したのはパッティング。「カップをオーバーするようなストロークをしたい。練習ではできても、試合で実践できないと意味がありません。きょうはそんなストロークができた」と、満足そうにひとつ頷いた。
母の日は妹の千怜がV。ツアーへ帯同する両親へ、この日も最高のギフトを贈った。「アマチュアの頃から、父は笑顔でプレーを心がけろ。そして、プレーを存分に楽しめと毎回、送り出してくれました」。次週は全米プロ選手権へ姉妹で挑戦する。鉄は熱いうちに打て-とばかりに、優勝の喜びに浸る暇もなく、コースから空港へ直行した。
(青木 政司)
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