2024.11.13
青木瀬令奈、苦手コースで狙う大会2連覇
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン第36戦『第43回大王製紙エリエールレディスオープン』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)が11月14日、愛媛県松山市・エリエールゴルフクラブ松山(6,575ヤード/パー71)で開幕する。13日はプロアマ大会が行われた。
フェアウェイが広く、比較的ラフも短いコースセッティングだけに、飛ばし屋有利といわれる今大会。にもかかわらず、昨年は飛ばし屋ではない青木瀬令奈が通算13アンダーで大会を制した。「正直、一番苦手な試合なんですが、どの試合でもちゃんと組み立てればいけるんじゃないかという自信になりました」。青木がいう組み立てとは主にパー5にある。たとえば、17番パー5は飛ばし屋ならアイアンで2オンを狙えるが、青木は第2打を刻むマネジメントになる。
「通常なら広いエリアに刻めますが、このホールでは11ヤードの幅に打たなければならず、勇気を持って打てるかどうかがポイントです」。昨年は3日間とも勇気を持って打てたおかげでフェアウェイをキープ。すべてバーディーを奪っている。特に最終日はこのホールでバーディーを奪ったことが1打差の逃げ切りにつながっただけに、今年もキーホールになると予想する。
バーディーを奪えるところでは奪い、ボギーをなるべく打たないようにする。ことばだけ聞くと簡単に聞こえるが、まさに“言うは易く行うは難し”で、プレーしている方は必死だ。昨年の青木は大会3日間で15個のバーディーを奪うと同時に、ボギーを2個で抑えた。やはり、無駄なオーバーパーを打たないことが勝利への必須条件となる。
実は今回、青木にとってバーディーを数多く奪うための秘策がもう1つある。パー3ホールだ。今季、青木のパー3平均スコアは2.9349であり、2位につけている。「ちょうど自分がユーティリティやショートウッドで打てる距離のホールが多いからだと思います」。むしろ、この部門では1位でなければいけないと考えている。今大会でも200ヤード前後のパー3が2ホールあるが、そこでバーディーをしっかり奪うつもりだ。
「ただ、このコースのグリーンはアンジュレーションが強いので、グリーンを3分割、4分割して狙わなければ、シビアなパッティングが残りますからね」。いつもより慎重に狙いを定めなければいけないが、それさえもどこか楽しんでいるように見えた。
秋口から痛めていた右脚の腓骨神経もほぼ完治したものの、右足をかばったために左足の母指球を痛めたという。ラウンド中以外に履く靴にインソールを入れたり、電気により治療をするなど、ケアを十分行っているが、影響が出ないかどうか気になるところではある。それでも、青木にとって今季初勝利と大会連覇を同時に達成する気持ちは強い。卓越したマネジメントと正確なショット、さらに得意のパッティングが決まれば、連覇の可能性は十分ある。ベテランの意地をどこまで見せてくれるか期待が高まるところだ。
(山西 英希)
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