2025.3.9
竹田麗央が圧勝で米女子ツアー通算2勝目
2025.2.14
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
2025シーズンがまもなく開幕する。最終プロテストの難関を突破した97期生が希望を胸にデビューを待つ。2024年の総受験者は695人、合格率はおよそ3.7パーセントだった。今年、羽ばたく26人を紹介する。
いりや・ひびき=2005年12月21日生まれ
20歳のルーキーイヤー。25年はQTランキング18位で、第1回リランキングまでほぼJLPGAツアー、全試合に出場できる。自身の未来図を考えながら、こんな話から切り出した。
「プロゴルファーとして、最後の目標がUSLPGAツアーで好成績をおさめることです。そのために焦ってはいないけど、挑戦するのなら早ければ早いほどいい。あくまで今年の結果しだいですけど、年末にはQシリーズ受験を考えている。ワールドランキングをどこまで上げられるか。若いうちに経験しておくことがいい」。自身の可能性を信じて、オフはひたすら精進を重ねる。
サラリと、こんなコメントが聞くことができるとは思わなかった。そうはいっても、根底にあるのは基本を忘れずに繰り返すこと。指導を受ける中嶋常幸の金言を忘れない。
「小学5年生の時、父が静ヒルズカントリークラブで中嶋プロのトミーアカデミーのことを知りました。誰でも応募することができる。合否はともかく、チャレンジしたらセレクションで合格。たまたまでしょう。おかげさまで、コロナ禍などがありましたけど、3期在籍。もう10年は中嶋プロにご指導を受けています」と前置きし、「最初のセレクションの際、ゴルフでもっとも大切なことはアドレス。足、ヒザ、腰、肩をおろそかにしない、という言葉が脳裏に刻まれた」と話した。
いいアドレスは卓越した飛距離を生み出す。1Wで平均250ヤードが特性で、最大のアピールポイントとなった。6歳からクラブを握り、プロになること夢を持ち始めたのは、小学4年生の冬。毎年、寒風が吹くたびに当時の頃を思い出す。
最終プロテスト合格は2度目の受験。「23年は1打が命運を分けた。24年はより気を引き締めて…」。ただし、高い目標があり、それはあくまでも通過点である。直後のQTファイナルステージは試練だった。2位タイで迎えた最終日、77を叩く。「トップ5に入らなくては、と考えていたけど、第1日から続いた強風の影響で、スイングリズムが狂ってしまった。後半の12番でダブルボギーの後、深呼吸をしながら、第1日からトータルで考えれば、イーブンパー。まだ、6ホールが残っている。これからはバーディーよりも、確実にパーセーブできるプレーをしよう。手前からを徹底して何とか乗り切った」と振り返る。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
そうはいっても24年、自身のハイライトといえば、3回のエース達成かもしれない。人生初は3月、明治安田レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント第1日。5番、ホールインワンを決めた。続く4月、大学公式戦で2回目。さらにQTファイナルステージ第2日、15番は1年間で3回目の達成である。いいアドレスが奇跡を演出。
愛知・豊川市出身の女子ツアープロ第1号だ。一方、朝日大学保健医療学部健康スポーツ科学科の学生という顔も併せ持つ。「いいアスリートになる、お勉強です。いつも、ひとりで練習しているけど、大学に行くと、仲間がいるから気分が変わります」と今、できることを精いっぱい実践中だった。
(青木 政司)