2025.4.24
65の好発進 アマチュア・叶結衣が首位
2025.4.6
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2025シーズン第4戦『ヤマハレディースオープン葛城』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が4月6日、静岡県袋井市・葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(6,475ヤード/パー72)で行われた。勝負は通算13アンダーで並んだ穴井詩、全美貞のプレーオフ(PO)へ。
18番を使用した、POの1ホール目、穴井がバーディーを奪い、ツアー通算6勝目を飾った。3位タイは通算12アンダーの小林光希、藤田さいき。
37歳146日、穴井詩が23年の今大会に続き、プレーオフでツアー通算6勝目をあげた。しかも通算13アンダーはトーナメントレコード。春到来-をアピールしている。前週に続き、30代の選手が2週連続優勝を飾るのは、日本人選手では16年の大山志保、福嶋浩子以来である。若手の台頭に一石を投じた経験の賜物といえよう。
勝因は一目瞭然。大会を通し、パー5でスコアを積み上げたことだ。1イーグル、11バーディーのすさまじさ。飛距離のアドバンテージを存分に生かした。
とはいえ、最終日のデッドヒートは特筆もの。結局、勝負はプレーオフに持ち込まれた。再び、18番のティーイングエリアへ向かう時、穴井はより集中力を高める。
「最終ホール、同組でプレーした全さんはバーディーを決めると思った。それが、まさか、まさかのパーセーブ。そういう時、同じ選手としてすごく気持ちがわかる。あとひと勝負ある。絶対にチャンスをものにしよう」と、新たな誓いを立てた。
すでにプレーオフは2年前、経験済み。迷わず第3打で勝負する。残り64ヤードで58度を選択した。抜群のコントロールショットで、ピン左1メートルのバーディーパットをど真ん中からカップへ放り込んだ。文句なしの内容である。ツキも味方をしたことを明かしている。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
「本来、第3打は70ヤードを残すマネジメント。でも、右ラフから-が幸い。スピンが入らない、ナイスショットができたと思います」。最終日、最終組の平均年齢は39.3歳だった。プレーする3人は、ちょっと忘れていたような緊張感を思い出す。「少しピリピリするような心地よさがありがたい。プレーの合間、話はしたけど、ほとんどがクラブの話題です」という。
そのクラブである。今季開幕から、穴井は生命線ともいえる1Wで精度が定まらないことに悩んだ。ましてや、今回はツアー屈指の難コースである。こんな舞台裏を話した。
「前週からメーカーさんと試行錯誤。そして、今回はシャフトを切断し、短い1Wでプレーして、ようやく打球が落ち着いた。とにかく、第1打がいい。トーナメントレコードを更新できたことも、周囲のスタッフがいい仕事をしてくださったおかげでした」。一方で、長丁場の勝負にも自信があったのだ。
「今年のオフは、コーチと話し合って、トレーニングを増やした。18ホール、一生懸命プレーをして、ホールアウト後もすぐさま練習を。そして、ホテルに帰り、高速の縄跳びが苦にならないぐらいにできている」。心・技・体が整った。満開の桜を見上げながら、「公式競技を勝ちたい。とりあえず、ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップです。すべての技術が試される。仕上げていく。30代、元気良く頑張りたい」と結んだ。
三十而立-という論語の一説を地で行くようである。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>