final day プラスワン～セキ ユウティン～

＜Photo：Atsushi Tomura/Getty Images＞

ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント　琉球ゴルフ倶楽部（沖縄県）最終日

　10代のラストイヤーがスタートした。きょう5日は、今季からLPGAツアーへ本格参戦したセキ ユウティンの誕生日。「予選通過が目標でした。最終日は、楽しくプレーできました」とほほ笑んだ。ホールアウト直後からサインを求めるファンが引きも切らない。4000年の歴史があるといわれる中国からの、スター候補。先物買いの意味を含め、ギャラリーもその存在をご存じだ。

　とはいえ、出身は日本。福井県という異色の経歴がある。父、越東さんは福井大学、同大学院で高分子化学を研究、学んだ留学中に誕生。4歳まで暮らした。その後、日本の化学工業企業に就職した越東さん。中国・上海の駐在員になった。「上海では営業の仕事をやったから、お付き合いでゴルフをしなければなりません。接待もあるしね。それで練習場へ足を運ぶようになり、1人ではつまらないから娘をつれていきました。そんなきっかけで7歳から、娘もゴルフを…」。

　才能はすぐさま表れた。また、時期も味方したといっていい。2014年、韓国・仁川でアジア大会が開催されることになった。ゴルフも競技種目。国家をあげてゴルファーを育成しなければならない。セキもその1人に選ばれた。16歳で迎えたアジア大会では、個人4位、団体3位。9月末でプロへ転向する。デビュー戦は北京で開催された米ツアー。14位でフィニッシュした。

　「初めての賞金で、父へワイン、母に服をプレゼントしたら、とても喜んでくれた。プロになった実感がわきあがってきた」という。翌15年に、台湾のプロテストも受験し、トップ合格を果たした。ところが、昨年受験した日本のプロテストでは最終で失敗したものの、ファイナルQT16位に入り、今季の出場権を獲得。「プロテスト失敗の経験がQTで生きた。今年は賞金シード権獲得が、目標」と話す。

　ちなみに、こだわりは星座占いだ。毎朝、調べて幸運を呼ぶ数字をチェック。この日は1で、それに従って使用するボールのナンバーを選択する。「西野カナさんの大ファン。カラオケで歌えば、ストレスがなくなります」と目を輝かせている。コースとは違い、この時は19歳の表情だった。