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2020.9.12

西村優菜 9Iでつかんだ驚きの首位

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 2020-21年JLPGAツアー公式戦、『日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯』(優勝賞金3,600万円 賞金総額2億円)大会第3日が9月12日、岡山・JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(6,640ヤード/パー72)で行われた。ムービングデーも、し烈な上位争い。67をマークしたルーキー、西村優菜が通算11アンダーで首位に立った。1打差の通算10アンダー、2位タイは田辺ひかり、ペヒギョン。4位タイで永峰咲希、小祝さくら、高橋彩華、笹生優花が最終日の逆転を狙う。 (天候:曇り時々雨 気温:27.7℃ 風速:東2.4m/s)

 絶対の信頼があるクラブ。単独首位で最終日を迎える西村優菜にとって、それは9Iだった。なるほど、13、15番の第2打がまさにそれだろう。「得意な9I。自信をもってショットができた。うまくピンへからめることができたと思います。とりわけ、15番はバウンスバック。ボギーを叩いた後だから、とてもうれしかった」と振り返った。

 本格的にゴルフを志した時から、「スイングづくりを9Iで行った。7Iではちょっと力が入る。9Iは最高の力感でスイングができたから」という。まずひとつ、得意をつくることは素質開花の早道だ。

 ルーキーとはいえ、これまでも素質の片りんをのぞかせていた。アマチュア時代、19年大東建託・いい部屋ネットレディスはベストアマに輝き、ステップ・アップ・ツアーの中国新聞ちゅーピーレディースカップは優勝争い。ただし、ルーキーイヤーの今季は、4戦で3戦が予選落ちとプロの厳しい現実に直面した。とはいえ、調子は上昇。

 さらに、戦略性の高いコースの今大会、休眠中の能力が覚醒した。「マネジメントにより集中するコースが大好き。すごく面白い」と話した。「ただピンへ向かって打つのではなく、ピンポジションから、第1打をどこへ…。逆算する。しかも、グリーンのベストポジションは、どこかなど前日から、考えることが楽しい」とも。

 念入りに準備を行う。練習ラウンドでは、コースメモへ詳細に書き加える。傾斜、キャリーMAX(これ以上いったらグリーンオーバーする)など、すべてだ。そして前日発表のホールロケーションを、メモへマーキング。前夜、シミュレーションをする。「それが楽しい」という。

 同期の笹生優花は2試合連続優勝、毎試合上位へ食い込む快進撃を続ける。いま、一番熱い世代だ。「黄金世代のように、同期が全員でゴルフ界を盛り上げる存在になりたい」と言葉が弾む。初の最終日、最終組。戦略家としての資質を発揮する大一番は、新時代のプロローグとなるか-。

(メディア管理部・中山 亜子)

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