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2022.11.12

390戦目で見え隠れした理想 上田桃子Vへ挑む

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2022シーズン第36戦『第38回伊藤園レディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会第2日が11月12日、千葉県長南町・グレートアイランド倶楽部(6,741ヤード/パー72)で行われた。この日、64をマークし、通算13アンダーへスコアを伸ばした上田桃子が首位へ浮上。山下美夢有が2打差の通算11アンダー、2位につけている。3位は通算10アンダーの岸部桃子。
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《グリーン=スティンプ:11フィート コンパクション:24mm》

 鉄は熱いうちに打て-は勝負の鉄則。上田桃子が2週連続で最終日、最終組へ挑む。視界の先に優勝はもちろんのこと、自身との戦いという壮大なテーマがある。

 「最終日、どんなプレーができるか。ずっと追い続けた課題です。前週は優勝を意識しないように心がけたけど、逆に持ち味である積極性に欠けた。普段は、緊張をすれば集中力が増してくるけど、ただカタくなっただけの感じが…」。かつてないほど、悔しさを味わった週末である。

 ゴルフは精神力との戦い。新たなスタイルを模索しながら、今回も連日、ベストをつくしてきた。「久々にワクワクして最終日を迎えられる。この2日間、前週から引き続きショットの修正をしてきた。全ショットが完ぺきとはいかないけど、きょうはミスを最小限に抑えることができている。また、優勝を狙える状況をつくった。自分へのチャレンジです」。かみしめるような言葉が闘志を表している。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 この日、マークした64は自己ベストタイ。強烈なインパクトを与えたのはパー5の5番だろう。左ラフからの第3打、12ヤードを60度でチップインイーグル。ピンチの後にチャンスが待っていた。

 実はその前の4番。第1打がフェアウェイ右のバンカー入口付近で止まった。左足がバンカー内でなければ、スタンスがとれない。残り140ヤード。「当初、ハイフェードで行こうと思ったけど、構えてみると届きそうにない。7Iを短く握り、低いラインだしのショットへ変えた。良かったと思う。うまくパーセーブができ、ムダなボギーを叩かなかったおかげで、イーグルへつながったのでしょう」と説明をしている。

 そして、後半の10番でもチップインバーディーを決めている。今大会から使用した60度の新ウェッジがラッキーアイテムにもなった。

 また、大いに気分を良くしたのは上がりの17、18番の連続バーディーフィニッシュだ。17番は13メートルを決め、18番が第2打の精度が際立つ、OKバーディー。終盤で首位を行く山下美夢有に並び、一気に2打差をつけた。これがスキのないプレーだろう。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 「勝ち、負けはコントロールできない。あすのことはわからないけど、自分がスッキリしたい。それが一番」と前置きし、「コーチからは今回、口角を上げていこうとアドバイスを受けた」。振り返れば、今回が390戦目である。生涯獲得賞金10億円を突破しても、理想のスタイルが明確にはならない。だからこそ、ゴルフは生涯をかけたスポーツ。奥深さなのだ。

(JLPGAオフィシャルライター・宮脇 廣久)

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