1. ホーム
  2. ニュース&トピックス
  3. 計24Hの大激戦 西川みさとがレジェンズ初V

2023.6.23

計24Hの大激戦 西川みさとがレジェンズ初V

<Photo:Toru Hanai/Getty Images>

 JLPGAレジェンズツアー2023シーズン公式戦『JLPGAレジェンズチャンピオンシップ』(シニアの部:賞金総額1500万円、優勝賞金225万円)大会最終日が6月23日、静岡県裾野市・裾野カンツリー倶楽部(シニアの部:6171ヤード/パー72)で行われ、西川みさとが大激戦を制した。勝負は通算2アンダーで並んだ酒井千絵とのプレーオフへ。レジェンズツアー最長の6ホール目で西川がバーディーを奪い、熱戦にピリオドを打った。2打差のイーブンパー、3位タイは佐々木慶子、祖父江歩。通算1オーバー、5位タイに斉藤裕子、福嶋晃子が入った。
(天候:曇り 気温:20.4℃ 風速:2.0m/s)

 レジェンズツアー最長のプレーオフ。6ホール目で西川みさとは、ついにウイニングパットを決めた。右手を天へ突き上げ、ようやく安堵の笑みがこぼれる。「私、右手を上げたんでしたっけ。優勝したんだよね-と酒井さんにうかがったぐらいです。まったく、状況整理ができていなかった」。プロ22年目の初優勝が公式戦である。待望の時がやってきた。

 最終18番。15メートルのバーディーを狙った。ボールはラインへ乗って、一度はカップインしたものの、勢いが良すぎて飛び出す。「距離が長かったから、2パットで行こうと考えた。もちろん、入れて優勝などとは考えていない。だから、力が抜けてその場で崩れ落ちた」と苦笑しながら振り返る。

 仕切り直しのプレーオフは同じ18番を使用。チャンスは何度もつくったものの、惜しいパッティングが続いた。「ラインは読めていたけど、カップの少し手前でボールがストップ。そんなことが何回もありました」という。

 一進一退の攻防戦は6ホール目へ。残り130ヤードの第3打を、8Iで1.5メートルにつけた。下りのフックライン。「一番苦手なラインです。でも、第1日が終わってひらめいたことがあった。とっさの判断でうまくいって…。それを実践したら、きのうもうまくハマった。そういえば、最終プロテスト合格も、最後は下りのフック。今回は入る、と強く念じて焦ることなくストロークできた」と満足そうに話した。90分間のプレーオフを含め、この日は人生最長の一日に。

 2013年、「もう、プロの試合では通用しない」と一線から退いた。この日まで10年の歳月が流れ、「子どもたちにゴルフを教え、岩井姉妹や稲見選手などが使用するグリップ、パルマックスの契約社員として働いている。ツアープロ18人ぐらいをサポートしていますよ」がセカンドキャリアなのだ。

 とはいえ、しっかりしたターゲットがあった。「JLPGAツアーでは、あまり活躍できなかったけど、5年前からレジェンズツアー出場のため、準備をしていた。だけど、出場3戦目で優勝…。しかも公式戦です」と目を丸めている。

 「いい環境で、仕事をさせていただいている。JLPGAツアーの選手をサポートしているおかげで、学ぶことが多く、刺激があります。前週のニチレイレディスでは最終日、最終組の岩井姉妹に帯同。トップクラスの新しい情報が入ってくる。それを私なりに解釈して試す。子どもたちに教えていることも、要は自分のため-でした」。しみじみと語っている。

 というわけで、周囲には感謝の二文字だ。「会社の皆さんは以前、ツアーに出ている私を知らない。太陽生命 元気・長生きカップが終わったときは、西川さんってゴルフうまいんですねって言われた。続く、ボンドカップでは9位タイでしたけど、速報を見るのが楽しいとも…。で、次は優勝ですねって言われ、そんなに甘くないよって話した。まさか、まさかだけど、そうしたエールが力になっている。皆さんに感謝。そして、試合があることにも感謝しています」。

 きょうだけは、円熟の境地にどっぷりと浸ってほしい。計24ホールのスーパーバトルは迫力満点。プロ22年のキャリアが成せる技だった。

このニュースをシェアする

記事検索記事検索ARCHIVE

search検索