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2023.7.21

スーパープレーを連発 小滝水音-プロ初の首位

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2023シーズン第20戦『大東建託・いい部屋ネットレディス』(賞金総額1億2000万円、優勝賞金2160万円)大会第2日が7月21日、福岡県糸島市・ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(6540ヤード/パー72)で行われた。この日も大混戦。ベストスコアの65をマークした小滝水音が通算12アンダーで首位に立った。1打差の通算11アンダー、2位は吉田優利。通算10アンダー、3位タイで後藤未有、永峰咲希、菅沼菜々が続く。
(天候:晴れ 気温:30.4℃ 風速:3.3m/s)
《グリーン=スティンプ:9 1/4フィート コンパクション:20.5mm》

 超個性的な黄金世代が、グリーンの魔術師へ転じる。プロ7年目の小滝水音が通算12アンダーにスコアを伸ばした。自身初の首位。「昨日、今日。ロングパットが決まった。ただ、私は調子の波が激しいから、今回はしっかり-」と、より気を引き締めた。

 それにしても、すごいパッティング。前日に続き、10メートル以上のバーディーパットを何と、3発も決めている。8番=10メートル、12番=15メートル、14番が12メートル。もうひとつ加えるなら、15番も7メートルだった。得意技は、もちろんパッティング。

 ただし、独特のフォームが特性だ。ルーキー時代は85センチのワイドスタンスで、右重心。遠く離れていてもひと目でわかるほどだ。現在は少し変化して、足の幅ぐらいせばまっているものの、やはり個性が際立つ。

 「今は重心がセンターになった。結構、変化しています。一番、入る打ち方を工夫していたら、自然とそうなった」と説明した。スタートはアマチュア時、遊び感覚でパッティング練習をした際、横峯さくらが1Wでワイドスタンスをとることから、ヒントを得たという。

 また、ロングパットが決まる極意を解説。「所属の静ヒルズカントリークラブで、練習させていただいているからでしょう」と話した。「パッティンググリーンがとても大きい。30ヤードぐらいはある。以前から、25メートルぐらいから狙う練習をしています。そのおかげでしょう」とも。

 さらに、オデッセイ 2ボール10パターとの相性も加えている。「ずっと2ボールタイプを使い続けています。ただ、以前はコロコロと替えていたけど、このパターはすごく私に合っている。去年のニトリレディスゴルフトーナメントから一度も替えてはいない」。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 開幕前の練習ラウンドでちょっとしたヒントをつかんだ。「手打ちのストロークでは、このグリーンではボールの回転が悪くなる。全身を動かしながら、体重をぶつけるようなストロークなら、ボールの転がりが劇的に良くなった。わかったのは、たまたまですけどね」と控えめにほほ笑んだ。

 この2日間、ノーボギーラウンドを続けている。ただし、「ベタピンは1、2回しかなかった。もうひとつ、パー5で思い通り、バーディーがとれていません。まだ、半分が終わったばかり。きょうのようにパッティングが決まればいいけど…」と、自身のプレーをしっかりと分析。

 今季はQTランキング114位でシーズンを迎え、少ないチャンスを生かし第1回リランキングで43位へ上昇し、JLPGAツアー出場権を得た。「第2回リランキングまでにポイントを稼がないと、秋の試合へ出られない。でも、前半戦のステップ・アップ・ツアーで1勝。今度はJLPGAツアーで1勝できたら最高ですね」と前置きし、「レベルが高いツアーで戦うことは、本当に楽しい。だけど、実力がものをいう世界。プロになってしばらく、所属以外、契約してくださるスポンサーさんがなかった。ウェアを買うためにアウトレットモールへ行ったりして…。今はクラブ、ウェア、シューズも契約していただいています。一生懸命、恩返しをしないといけません」。しみじみと語った。

 かつて、試合がない時は所属先でポーターなどの仕事をしながら遠征費を捻出している、というエピソードも聞いたことがある。いよいよ飛躍の時がやってきた。

(青木 政司)

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