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2023.7.30

鈴木愛、逆転負けを喫するも向上心に衰える気配ナシ

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

楽天スーパーレディース 東急グランドオークゴルフクラブ(兵庫県)最終日

 鈴木愛といえばプロ意識が高く、勝利に対する思いの強さも際立っていた印象が強い。だからこそボギーを叩いたときなど悔しい気持ちが外側にあふれたりしていたが、今回は休養明けからのラウンド不足もあるのか、第3日までは淡々とプレーしているように見えた。しかし、最終日になると、やはり優勝への意識は当然のように強くなる。

 「優勝争いならではだと思いますが、ミスをしたら嫌だという気持が前に出過ぎて、自分らしさがあまりなかったように感じました」。

 前日、ドライバーショットがつかまり過ぎて、左へ曲げてしまうミスが多かった。最終日のスタート時こそ、そのミスを気にすることなくドライバーを振り切れていたが、左ドッグレッグホールや左に曲げたくないホールを迎えると、どうしてもそのミスが頭の中にちらつく。その結果、クラブを振り抜くことができなくなり、左右へ大きく曲げてしまっていた。

 「しっかりと左に振り抜けていたら、もっといいショットが多かったと思います」と悔いる。最終日を2位に2打差をつけてスタートしたとはいえ、ティーショットが左右にブレてボールをラフに入れてしまうと、ピンそばにつけるのは難しい。「グリーンに乗っても端っこばかりでなかなかバーディーチャンスがありませんでした」というのも致し方ないだろう。

 ただ、そんな状況でもスコアを大きく崩すことはなかった。5番・パー4では第2打がアイアンショットで届く距離だったにもかかわらず、あえて5番ユーティリティを持ち、カット軌道で高いスライスを打つことでボールを止め、バーディーを奪った。6番・パー4ではティーショットを右に曲げ、目の前に木の枝が張り出していたが、やはり5番ユーティリティで低い球を打ち、しっかりとグリーンをとらえてパーセーブ。惜しむらくは16番・パー4でグリーン手前からのバンカーショットを寄せ切れずにボギーを叩いたことと、17番・パー3で1.5メートルのバーディーパットを決め切れなかったことだろう。

 今大会の前に3番ウッドを新しくしたり、58度ウェッジのソールを19年当時と同じ削り方にするなど、少しでも自分にとってプラスになると思えば、どん欲に取り入れることは以前と変わらない。「自分のゴルフを見直すチャンスだと思い、もう一度調整したいです」と前を向く。優勝からは2年ほど遠ざかり、今回も2打差の3位に終わったが、近いうちに復活Vを挙げる雰囲気は十分に感じさせた。

(JLPGAオフィシャルライター・山西 英希)


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

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