2024.5.5
史上初の大逆転 リヒョソン歴史的V
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
まさか、まさかの大逆転。JLPGAツアー2024シーズン・公式競技の第1戦『ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ』(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,400万円)大会最終日が5月5日、茨城県つくばみらい市・茨城ゴルフ倶楽部 東コース(6,665ヤード/パー72)で行われ、アマチュアのリヒョソンが7打差を大逆転。通算8アンダー、15歳176日のVはJLPGAツアーの最年少優勝記録を塗り替えた。
1打差の通算7アンダー、2位は佐久間朱莉。イイェウォンは通算6アンダー、3位に終わった。
(天候:晴れ 気温:27.3℃ 風速:3.5m/s)
《グリーン=スティンプ:14 3/4フィート コンパクション:25mm》
一か八かの勝負。15歳の女子高生・リヒョソンがビーストへ変身した。最終18番、コースに吹く風がささやいた。「狙え」と。残り235ヤードの第2打、迷うことなく3Wを選択した。そこまで精度を第一としたものの、「最後は思い切って、イーグルか、ボギーかのプレーをしよう」と即断。
ただし、グリーンエッジへ運ばなければ、やっかいなバンカーが2つ、待ち受ける。それでも、ひるまない。渾身のショットは見事、マネジメントのように運んだ。しかも、3メートルのイーグルチャンス。経験豊富なベテランのように、あっさりとカップインさせた。
意気揚々とスコア提出をすると、首位に並んでいることを知る。「エッ」-と声にならない声をあげると、両手が震え出した。「どうしよう。プレーオフへ備えて、パッティング練習をしている時も、足が地についていないような感じ。指先も緊張で震えっぱなしです」と、話した。
この日、首位とは7打差を追いかけ、最終組から3組前でスタート。第1日、75を叩き、71位タイから調子を上げてきた。今大会は2年連続出場。23年は予選落ちだった。ところが、強烈な刺激を受ける。「あのまま終わりたくなかった。もっともっと練習をして、うまくなって再挑戦したい」。懸命に努力を重ねた。その熱心な姿勢が天へ通じたのだろう。最終日、風が強くなった。
「3月、ニュージーランドで強風のラウンドを体験した。テクニックというより、感覚的なものです。風が吹いても、まったく怖くはありません」といい、「去年より、皆さんへ成長した姿をお目にかけたいと思っていました。私にとって、23年の今大会でコースへ歯が立たなかったことが土台になったんです」。前半を2バーディー、ノーボギーで折り返し、風が強くなった後半へ入ると、プラスアルファのパワーのパワーで、V争いに加わった。
パー3・17番も、お見事。「風がアゲインスト。直感が7Iだと教えてくれた」そうだ。打球はピン2メートルへ。バーディー奪取で大逆転のシナリオが完成した。
その頃、最終組の実力者たちは、なかなかスコアを伸ばすことができず、失速していく。公式競技で、7打差の大逆転劇は史上初のサプライズとなった。しかも、別表のように、あらゆる最年少優勝記録を更新。スーパーアマチュアとして、歴史をつくった。
<Photo:Hiromu Sasaki/Getty Images>
(青木 政司)
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