2024.7.6
首位キープ・川﨑春花-全集中で離れ技を連発
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
JLPGAツアー2024シーズン第19戦『ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会第3日が7月6日、北海道札幌市・真駒内カントリークラブ 空沼コース(6,667ヤード/パー72)で行われた。川﨑春花が好調をキープ。この日もノーボギーラウンドの68で、通算15アンダーへスコアを伸ばし独走態勢を築いた。4打差の通算11アンダー、2位タイは尾関彩美悠、櫻井心那。最終日は94期生が最終組でV争いを演じる。
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《グリーン=スティンプ:11 1/2フィート コンパクション:23.5mm》
雨が降り、風が強く吹く。ムービングデーのこの日、川﨑春花は孤高の人-がピタリと当てはまる雰囲気をコースで最後まで貫いた。そして、3日間連続でノーボギーラウンド。しかも、2位へ4打差をつけ、大きなアドバンテージを握って最終日を迎える。
「今回は結果よりも、やるべきことにだけ集中。やらなくてはいけない-を3日間、しっかりできていると思います」と胸を張った。では、どんなことをしたのだろうか。
「最近というか、前半戦は目前の1打に集中できていなかった。しかし、今回、7割はできている。最後の最後までベストプレー。打つ直前の最後、風をしっかり頭に入れてプレーすることです」と理由を語った。
3番でピン左上から5メートルのバーディーを決め、いい流れを呼び込んだ。ところが、続く4番の第2打は、「穴があれば入りたかった」というミスショット。「ただのトップ・・・。まったくボールが飛ばない」と苦笑しながら振り返った。それでも、パーをセーブ。この間も、ただひたすらに淡々とプレーした。
「外見は、無のような状態で歩いていても、実は脳をフル回転させている。どうしたら、いいプレーができるか、ですよ」とも。パー3・5番は10メートルのバーディートライだった。スライスラインで、カップへ向かう最後は2メートルぐらい、下りの難しさだ。が、ジャストタッチでカップイン。「ラッキーがあった。だけど、4番などでテンポを崩さず、プレーしたおかげでしょう」と解説した。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
前半、9番では残り108ヤードの第2打を52度で50センチへ運んで、3つ目のバーディーを楽々と奪取。後続の追撃を許さない、女王のプレーを披露した。後半はコンディションがよりタフになったが、ひたすら忍耐。終盤のハイライトを迎える。17番は15メートルのバーディートライというより、カップへ寄せるパッティングだが、ラインを読む目は確かだ。「ちょっとスライス。最後はストレート」をあっさりと実践し、マジックのようなバーディーである。
追いかける尾関彩美悠、櫻井心那につけ入るスキを与えなかった。最終日は94期生が初めて、最終組で優勝を争う。「ジュニアの頃、2人とも、かなり上の存在だった」と話したが、「同期ということは、まったく意識せずに臨みます」。
あすは七夕だ。幼少時、短冊へ「おすしやさんになりたい」と記したことがある。ちょっと意外なエピソードだ。「子どものとき、いくらが好きでおすしやさんになれば、たくさん食べられると思ったから。今でも職人さんは、かっこういいです」と補足した。
プロゴルファーもたくさんのファンの目を引き付ける、かっこういい職業だ。どうせなら、JLPGAツアー史上2人目の4日間ノーボギーラウンドを達成すれば、さらに箔がつく。ブヨに4カ所を刺されても、表情を変えない精神力も含めて-。
(青木 政司)
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