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2024.7.13

成澤祐美、自身3度目の最終組でプロ初V飾る

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAステップ・アップ・ツアー2024シーズン第9戦『あおもりレディスオープンゴルフトーナメント』(賞金総額2,000万円、優勝賞金360万円)大会最終日が7月13日、青森県青森市、青森カントリー倶楽部(6,601ヤード/パー73)で行われ、首位タイからスタートした成澤祐美が通算12アンダーで、念願の初優勝を飾った。2打差の通算9アンダー、2位にこの日ベストスコアの67をマークしたアマチュアの六車日那乃。
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 ゴルフ界に限らず、トップにいる人間の行動を真似したことが自身の成長につながったという話はよく聞く。前週のJLPGAツアー・ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ3日目、成澤祐美は同組でラウンドした菊地絵理香、申ジエのプレーをじっくりと観察していた。特に注視したのが、自分が得意ではないパッティングだった。ラインの読み方やアドレスへの入り方、ストロークの仕方を事細かく頭の中にインプットしてコピーしたところ、自分の中にはこれまでなかった感覚が宿ったという。

 今季初のJLPGAツアー参戦で、思わぬいい経験をしたことは間違いない。ただ、どんなにいい経験をしても、それを活かさなければ意味がない。成澤にとって、その試金石が今大会だった。最終日を通算7アンダーの首位タイでスタート。2打差に6人がひしめく混戦だ。

 「強気な発言もしますが、内面はネガティブなので、今回も自滅するんじゃないかと不安でした」。過去2度、最終日最終組で回ったことはあるが、どちらもスコアを崩して優勝争いから遠ざかっていた。しかし、今回は自分に菊地と申が乗り移ったと思ってプレーしようと決めていた。その効果があったのか、1番ホールでバーディーを奪い、幸先よくスタート。しかし、続く2、3番ホールで連続ボギーを叩く。ネガティブな自分が現れそうになったが、パッティング自体は悪くないと冷静に分析することで前を向いた。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 それを確信できたのが、5番ホールでのパーセーブだった。2メートルのパーパットをしっかりと入れたことで、スイッチが入った。さらに、11番ホールでも2.5メートルのパーパットを沈める。どちらも、菊地や申に負けないぐらいボールの転がりがよかった。気がつけば、この日は3つのボギーを叩いたものの、8バーディーを奪い、68をマーク。2位以下に3打差をつける通算12アンダーまでスコアを伸ばしていた。

 「ラウンド中にスコアボードを見ていませんでしたが、トップかなという気持ちはありました。でも、『自分には絵理香さんとジエさんが入っているんだ、自分じゃないんだ』と思うことで、強気になれました」。パッティングだけでなく、スコアメイクなどもしっかり参考にしたことで、プレー中はノンプレッシャーだったという。

 一つのきっかけでゴルフが大きく変わる選手は多い。成澤にとっては、菊地、申と同組でラウンドしたことがそのきっかけとなった。「こういうゴルフをしたら上位に行けるんだなと先週分かったし、それを今回証明できたのは本当にうれしいです」。6度目の挑戦でプロテストに合格し、プロ3年目で悲願の初優勝を飾ることができた。前戦では同じ岡山県作陽高校出身の石川怜奈が優勝を飾った。「当然、刺激になりました。2週連続で作陽高校が優勝を飾れてよかったし、今後も作陽魂で頑張ります」と、笑顔を見せた。

 次戦はJLPGAツアーの大東建託・いい部屋ネットレディスになる。「どういう組み合わせになるか分かりませんが、しっかりといい部分を盗みたいと思います」。どん欲な気持ちが続く限り、成澤の成長も止まらないはずだ。

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