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2024.8.4

竹田麗央は大胆で繊細 逆転で今季4勝目

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 JLPGAツアー2024シーズン第21戦『北海道 meiji カップ』(賞金総額9,000万円、優勝賞金1,620万円)大会最終日が8月4日、北海道北広島市・札幌国際カントリークラブ 島松コース(6,568ヤード/パー72)で行われ、竹田麗央が通算12アンダーで逆転優勝。今季4勝目をあげた。1打差の通算11アンダー、2位は河本結。3位タイは通算10アンダーで木村彩子、岩井明愛が入った。
(天候:曇り 気温:22.2℃ 風速:4.1m/s)
《グリーン=スティンプ:10 1/2フィート コンパクション:22.5mm》

 これがプロ3年目の進化。竹田麗央が大逆転で今季4勝目をあげた。大胆で繊細。より強さがクローズアップされた最終日である。

 最終18番、残り110ヤードの第3打をPWでピン2メートルへ運んだ。同組でプレーする河本結と、デッドヒートする首位争い。優勝するには、どうしてもバーディーが欲しい状況だ。

 「珍しく、きょうはすごく緊張した。久々の優勝争いだったからかもしれない。でも、私ならできる。そう言い聞かせた」。そして、チャンスをモノにして戦いを終える。意外な工夫を明かした。

 「エビアン選手権からパッティングでグリップがしっくり握れていない。どうしたらいいだろう。考え、試して左手のグローブをつけたままでストロークすることにした。これがいい感じです」。今大会の平均パット数は第4位だった。24パット→30パット→26パット。平均26.67が逆転した重要なファクターになる。

 そして、自身の冠ともいえる1Wも、パッティングの上昇とともに、精度を取り戻した。この日は4ホールのパー5で、すべてバーディー奪取。「第1日、ちょっと1Wのショットが精度を欠いて、ボギーが3つ。今回はクラブをしっかり振り切ることがテーマだった。最近、しっかりクラブを振り切ることを忘れていたような気がする」といい、その原因を、「これもエビアン選手権からかなぁ。ショットの調子が良くても、思ったより打球が曲がって・・・。ちょっと自信がついてこない」と分析した。


<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 同じ轍を踏まない。修正力も、お見事だ。飛距離のアドバンテージを存分に生かした。もうひとつ、見逃してならないのはショートゲームだ。前日の反省から、「きょうはインパクトを緩めない」。9番=50センチ、12番=30センチなど、ため息がもれるほどだ。

 まさにオールラウンダーに変革中というところだろう。3打差を追いかけ、誰が優勝するのかわからない展開。最後の最後でグッと抜け出したことが、その証明だ。今季、海外メジャーへ挑戦。かつて体験したことがない興奮を体験し、帰国してすぐさま試す。より思考が深くなった。

 次週のNEC軽井沢72ゴルフトーナメントでも、有力なV候補。その後はAIG女子オープンへ挑戦する。「今まで、日本同様のクラブセッティングだったけど、今度は2Uを加えてみようかなぁ、と考えている。風が強く、低いボールを打たなくてはなりません。練習はしています」と、調整に余念なし。

 それにしても、感服するのは強行軍のスケジュールをいとも簡単に克服してしまうことだ。若さ-といえばそれまでだが、「子どもの頃から、お風呂上がりの牛乳を楽しみにしている。腰に手をあてて? 知らないうちにやっているかもしれませんね」と笑顔でこたえた。

 一方、メルセデス・ランキング1位へ返り咲きを果たしている。「皆さん、お上手ですから、私はついていくだけです」と、控えめな態度ともの言いだけはまったく変わらない。むしろ、周囲から優勝の祝福に、これまで以上に礼の角度が深くなった気がした。

(青木 政司)

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