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2024.8.4

華麗なる大変身 アンソンジュ存在感を示す

<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

北海道 meiji カップ 札幌国際カントリークラブ 島松コース(北海道)最終日

 アンソンジュ、約5年ぶりのJLPGAツアー出場は33位タイ。しかし、ブランクを感じさせない存在感を示し、次週へ弾みをつけた。「ちょっと、練習をやりすぎたかもしれない。最終日になって、ちょっと息切れ・・・。残念でした。ただ、足りないところが実戦でよくわかった。パッティングです。調整して次は、トップ30を目指しましょう」と総括した。

 注目を集めたのは、ギャラリーはもちろんのこと、関係者まで驚く、超がつくほどスリムになった体形だ。「1年かけて、22キロ減量。本当に大変でした」。ダイエットを決意したのは22年だ。「出産で6キロ増えた体重が、なかなか減らない。ゴルフを続けるならば、ちょっとヤバい、となってダイエットに取り組んだ」という。

 専属トレーナーをつけ、「最初の1カ月は、トレーニングに加え、炭水化物をまったく口にしないことからスタート。つらかったなぁ。そんな生活にだんだん慣れてきたのは、結果が出てきたからです」と、苦闘を振り返る。今年1月、先延ばしをしてきた結婚式でも、華やかさに加え、スリムになった姿がクローズアップされている。

 23年は韓国ツアーでプレーし、2位が2回。こんなエピソードを明かした。「2度目の2位だった時は、優勝を飾って、スパッと引退しようと思いながらプレー。だけど、そんなことを考えていたら、優勝が遠のいた。欲を出さずにプレーすることは本当に難しい」と、しみじみと語っている。

 今大会の開幕前日、緊張した面持ちで朝から、長時間の練習を行った。「久々に、日本での試合です。ギャラリーの皆さんへいいプレーを披露したい。いい笑顔も見てほしい。順位よりも、その2つが目標だった」。総仕上げにかかった練習グリーンの調整では偶然、申ジエと顔を合わせ、会話が弾んだ。


<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

 中でも、プロデビュー当時のことは初めて耳に。申がテレながら教えてくれた。「ソンジュさん、年齢は1歳上だけど、プロデビューのシーズンは同じ。スポンサーも同じでした。合宿なども一緒。一方でルーキーシーズンは、どちらが新人賞をとるかなど、周囲がとても騒がしくライバル関係をあおっていたけど、私たちはとても仲が良かったですよ」といい、「そういえば・・・」と続ける。

 「ある試合のティーイングエリアできょうのラウンド。2人でスコアが悪かった方が夕食をおごる、という話をしていた。その声をテレビ中継のマイクがひろってしまい、音声が流れて、ちょっと大変。ただ、いつもソンジュさんは、スコアで勝っても、私が先輩だから-と支払いをしてくださった。とても面倒見がいい、素晴らしい先輩です。コースでもライバルとして、お互いの能力を引き出しながら、切磋琢磨しました」と話した。

 ちなみに、このルーキー時、年間最優秀選手を獲得したのは申だった。年間16試合で、3勝。15試合でトップ10フィニッシュを果たし、もっともふるわなかった試合でも16位と、驚異的な成績で衝撃を与えた。

 2人はともに、JLPGAツアーで28勝。記録にも、記憶にも残る大きな足跡を記している。アンは、「ツアーの雰囲気が抜群です。練習場、ギャラリーのマナーなど、JLPGAツアーはいつもプレーヤーズファーストを徹底し、最高の環境をつくってくださる。選手も最高。同組の選手を気遣う心配りに、いつもありがたいなぁと思っています。私は、日本が大好きですよ」と、改めて感謝のメッセージをのべた。

 感服したのは、ブランクを感じさせない流ちょうな日本語。「(日本語を)忘れないために、しっかり勉強を続けた。韓国は、アニメの鬼滅の刃を放送している。欠かさず見ながら、勉強ですよ」とテキスト選も秀逸だ。

 ところで、申が見た、アンの卓越したテクニックとはいったい-。「オールラウンダーだから、すべてがすごい。でも、ひとつといわれたら、私は下りラインのパッティングをあげます。世界一でしょう」と、激賞した。

 次週、NEC軽井沢72ゴルフトーナメントも推薦出場する。元世界ランキング1位がタイコ版を押した世界一の技、必見だ。

(青木 政司)


<Photo:Yoshimasa Nakano/Getty Images>

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