2024.8.22
川岸史果は90点 ラッキーベアで一変
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
ニトリレディスゴルフトーナメント 桂ゴルフ倶楽部(北海道)第1日
悪いことの後には、良いことがあるのが、勝負の世界。この2カ月、不振に見舞われた川岸史果がモヤモヤを吹き飛ばすように、一変したプレーを披露した。
「ピンチがほとんどない。唯一、18番がピンへ寄らず、難しい下りの2メートルが残ったけど、ナイスカップインでパーセーブ。ショット、パッティングともに安定していた。90点のプレーです」と、日ごろは厳しい採点をつける人が、珍しく高得点の評価を与えている。しかも、ノーボギーのラウンドで、表情まで緩んだ。
この日は3バーディーだったものの、バーディーチャンスは7番=1.5メートル、11番=1メートル、15番=2.5メートル。「グリーンを狙うショットの距離感がぶれていた。うまく調整できたと思います」といい、「今季は洋芝のトーナメントで一度も予選を通っていなかった。ショットが、ちょっと芝にくわれてしまうから、今回は特にクラブを上から入れるように微調整。思ったところへ打てるようになっている。それから、コースは難しいけど、フェードヒッターの私には、狙いやすいホールが多いことも好材料です」と、復調の要因を話した。
この2カ月、ほとんど目立った成績は残していない。「6月中旬に体調を崩してしまった。その影響がちょっと長引いて…。また、前週はプロアマトーナメントで、1Wのヘッドが割れてしまうアクシデント。1年半ぐらい、同じものを使用していたから、仕方がありませんね。ただ、スペアを持参していなかった。姉にお願いして、自宅から新幹線で同じ型のヘッドを届けてもらい、何とか事なきを得たけど、やはり試合ではしっくりこなかったです」と振り返った。
しかし、この日はそんな経緯がうそのように、1Wでグッドショットを連発。ふと左袖に目をやると、手首の上部に熊のキャラクターがワンポイントでプリントされていた。
「これがラッキーベアでしょうか」とひと息ついて、「袖のこの部分にプリントされたものを私、見たことがない。でも、アドレスへ入ると熊が目に入って、自然に気持ちが和む。力まず、いいショットが打てたのは熊のおかげかもしれませんね」と、ほほ笑んだ。飛距離のアドバンテージがあるのは、このコースだけに有利に働くだろう。
「毎日、60台のスコアをマークできれば、いいところへ行くでしょう。あしたも60台を目指します」と言葉が弾む。不安一掃の一日。ワンポイント効果は絶大だった。
(青木 政司)
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