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2024.9.22

雨で躍動 青木瀬令奈-最終日・意外な舞台裏

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

第51回ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント 利府ゴルフ倶楽部(宮城県)最終日

 雨を楽しむ。9月の雨は、たとえ土砂降りでも心までぬらすことはなかった。青木瀬令奈はホールアウトした後、クラブハウスには戻らず、再び外へ。荒天でもコースに足を運んだギャラリーのために、サイン会を行った。

 9ホールに短縮された最終日。2バーディー、ノーボギーと上々のプレーを披露した。ピンチがなかったわけではない。「やはり晴天のプレーがいい。以前、雨のラウンドはすごく苦手だった。この日のためにというわけではないけど、一昨年オフの合宿からどうしたらいいか、荒天対策を試していたんです」という。

 「元々、ボールにふれるクラブフェース面をぬらさないことばかりに注意を傾けていた。雨の日はボールがつかまえにくい。だから、私の方からつかまえに行っていたけど、なかなか思い通りにはいかなかった。そこで、もう一度、考えて注意点を絞り、グリッププレッシャー軽減を、最優先にすることを心がけたんです。とにかく、両手を乾いた状態に保つことで、トップからの切り返しなどで滑りを抑制した」そうだ。

 具体的にどういうことを実践しているのだろう。最も気配りしているのは飲料をとる際、必ず、ボトルや水筒などにタオルを巻いてからつかむことだ。また、「雨のラウンドでは、傘を持つ時、タオルを手に巻き、一方で片手をポケットへ入れておく。雨の日に限らず、晴天でも飲み物をとるときにも、必ずタオルを使っている。ほんのちょっとしたことでも、プレーに与える影響が少なくなると思います」と解説してくれた。アマチュアゴルファーにも参考になるひと工夫。

 そうした前置きがあって、プレーを振り返る。「序盤の2ホール。どちらも3メートルのパーセーブが決まった。このガマンが大きいですね。それから、13番はプリファードライでも前後左右、ドロップできるところがなかった。もう、いいか-覚悟を決めて打ったら、グリーン手前30ヤードまでボールを運んで、何とかパーセーブ…。ボギーで流れを止めないことも大きかった」という。

 池がからむ15番、2メートルのバーディー。「おそらく、このホールを得意という選手はいない。第1日に続いて、きょうもバーディーを決めることができた。すごく達成感がある」と話す。その勢いで、18番はピン右から5メートルのバーディーフィニッシュで締めた。「のぼって、下ってのマウンド越え。カップ2つ分のフックラインです」と満足そうである。

 発奮しなければならない要因があった。ひとつは、用具契約する特別協賛・住友ゴム工業株式会社、ゼクシオアンバサダーとして。さらに個人としてスポンサードを受ける、東邦アセチレン株式会社の広告塔の役割も担っている。

 今大会のテレビ放送では、ゴルフ以外では初CM出演。「去年のプロアマトーナメントで、東邦アセチレンの社長さんと同組でプレー。深いご縁をいただきました。おまけに今回はエスプーマのCMに出演させてくださって…。どんな食材でも簡単に泡状のムースに変身させる調理器具です。大手コーヒーチェーンなど、あらゆるところで使われている。ちょっと緊張したけど、NGなし。一発でオッケーでした」と語った。

 結果は、11位タイながら大会を盛り上げようと、コース外でも大奮闘。存在感は抜群だった。悲願の大会制覇は、また来年-。

(青木 政司)

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