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2024.10.27

岩井ツインズ躍動 千怜V・明愛2位

岩井千怜<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2024シーズン第33戦『樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円、優勝賞金1,800万円)大会最終日が10月27日、埼玉県飯能市・武蔵丘ゴルフコース(6,650ヤード/パー72)で行われ、岩井千怜が通算16アンダーのトーナメントレコードで優勝を飾った。今季3勝目、通算7勝目は待ちに待ったホームV。しかも、2打差の14アンダー、2位タイには姉の岩井明愛が吉田優利とともに入る-ツインズのワンツーフィニッシュだった。
(天候:曇り時々晴れ 気温:22.2℃ 風速:2.4m/s)
《グリーン=スティンプ:11 1/2フィート コンパクション:23mm》

 すべてが整った。岩井千怜はウイニングパットを決めると、ひとつの夢を実践することに。カップから、ボールを取り出した。ギャラリーの声援が上がる。そうすると、手のひらをあおりながら、もっと、もっと-のリアクションを行った。その時、18番グリーンは、まるでライブ会場のような盛り上がりである。

 「やってみたかった。優勝したら絶対に…。そのイメージを描きながらプレーしていたんですよ」。かつてないパフォーマンスは、新たなスタイルのオープニングとなった。

 トーナメントレコードのおまけをつけ、念願のホームVを達成。「自宅から車で30分。地元で優勝することが、プロとしての目標のひとつでした。私にとって、たくさんのギャラリーの皆さんの応援は、すごいパワーに変わります。でも、きょうは大事な優勝争い。集中していたから、皆さんをみている暇がありませんでした」と振り返る。


岩井千怜<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 スタートホールからバーディーが先行。だが、「それほど調子がいい、という感触がない。だから、キーホールとなったのは、パー3の8番でした」と、ひと息ついて、状況を説明した。「第1打がグリーン左下のラフへ。残り16ヤードの第2打を58度でピン2メートルへ寄せることができた。難しいアプローチで、うまくパーセーブができて、よしっ、と手応えを感じて。もし、ボギーだったら、どうなったかわからない」と明かしている。

 そして、迎えた9番は残り40ヤードの第3打を58度で、ピン5メートルと寄せることができなかったが、鮮やかにバーディーを決めた。「あそこがきょう一番、格好いいところだと思います。私の第3打がよらず、(優勝を争った)吉田優利さんが短いバーディーチャンスでしたから。一気に決めることができた。絶対に(首位は)譲らない-と闘志全開のシーンだった」と、心情を踏まえて解説。

 あわせて、こんな舞台裏を話す。「第1日、パッティングが8割方ショートしてしまった。グリーンのスピードに対応できていない。だからホールアウト後、4メートル、8メートル、12メートルの距離から、タッチをあわせる練習を繰り返した。翌朝も、同じ練習を繰り返したら、すごく良くなったことが勝因。うれしかったのは、表彰式で樋口久子大会名誉会長から、プロアマトーナメントの時、1Wはすごく良かったけど、パッティングがいまひとつ。それをうまく修正して、さすがです、とホメてくださったことがありがたかったです」と、満面に笑みをたたえた。

 というわけで、優勝も含め、100点のラウンドか、と感じたが、「まだまだです。もっと強くなるためには、もっとステディーなプレーをしないといけません。1W、アイアンショットの精度を磨くことが、もう少し必要でしょう。だから90点とします」といい、次週へ向け、同組で優勝争いをしたい選手-の質問に、「岩井明愛です」と即答。さらには、「優勝してQシリーズを受験せずに、USLPGAツアーへ出場することが目標。次週も優勝を目指します。世界中の人に私をしってもらいたいから」と、ボルテージが上がった。


岩井明愛<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 一方、今大会は岩井明愛が2位タイ。ツアー2回目の、ツインズ・ワンツーフィニッシュだった。「私も地元で勝ちたい。大会を盛り上げたいと精いっぱいプレーした」と、ちょっと残念そうである。そうはいっても、この日は2人の代名詞ともいえる、直ドラに2回トライ。ともに成功した。

 「9番は残り263ヤード。18番が残り249ヤードでした。2ショットともに、すごく良かったと思います。なかなかこんなことはない。大会を盛り上げる-その気持ちで思い切っていった」と話す。盛り上がったのは最終ホール。打ち終わった後、何と手のひらをあおり、ギャラリーの声援をもっと-のパフォーマンスを敢行した。ちなみに、ツインズが示し合わせたわけではなく、自然に飛び出したことだ。

 「その場の雰囲気です。ショットが成功して、私の気分が高揚したからでしょう。楽しかった」と、語りながらも、パー3・4番のダブルボギーが悔やまれる様子。「(第1打が)シャンクでした。たまに出るんです。忘れかけた時、あの子が来る…」と苦笑する。

 続けて、「千怜、久々の優勝はうれしい。でも、きょうはちょっと悔しいです。仕方がない。試合では、予想しないことが起こる。そういうところも含め、ゴルフは面白い」。各試合、勝者はひとりだけだ。まさに、2位ではダメなんです、ということだろう。

 次週、TOTOジャパンクラシックがより一層、楽しみになった。

 (青木 政司)

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