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2024.9.22

大器覚醒 雨が呼んだ安田祐香の初優勝

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 JLPGAツアー2024シーズン第28戦『第51回ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント』(賞金総額7,000万円、優勝賞金1,260万円)大会最終日が9月22日、宮城県利府町・利府ゴルフ倶楽部(6,638ヤード/パー72)で行われ、安田祐香がツアー初優勝を飾った。この日は悪天候によるコースコンディション不良のため、9ホールの短縮競技に。タフなコンディションながら、攻めのスタイルを崩さず、通算9アンダーで逃げ切った。3打差の通算6アンダー、2位タイは藤田さいき、渡邉彩香、岩井千怜。また、アンシネが今大会限りで現役引退を発表した。
(天候:雨 気温:16.9℃ 風速:2.9m/s)
《グリーン=スティンプ:9 3/4フィート コンパクション:21mm》

 プロ5年目、待望のJLPGAツアー初優勝。安田祐香は、「終わってみれば、一瞬」と率直な気持ちを表現した。今大会からあいにくの降雨が続き、コースコンディション不良で今大会は9ホール短縮競技に。それでも、第1日で披露したアグレッシブなプレーは健在だった。

 パー3・11番で10メートルのバーディーパットをねじ込み、アドバンテージを握る。13番でも3メートルをカップインさせた。ところが「少し緊張を感じた」という、15番でボギーを叩く。ちょっとイヤなムードが漂ったが、「いいショット、いいパッティングだったと思います。たとえボギーでも…」と前向きである。

 直後の16番、「この日、一番」と絶賛したショットが飛び出す。残り131ヤードを9Iで、カップ30センチにつけたスーパープレーは、ギャラリーから大喝采を浴びた。「ボギー直後のバウンスバック。優勝を引き寄せたワンショットの手応えがあった」そうだ。さらに、17番の連続バーディー奪取。従来のV争いとは、明らかに違う姿をアピールした。

 「今季初めての最終日、最終組でした。でも、毎年のように私は成長を感じていて…。今年はトレーニングを続けてきた。今年はこれだけの猛暑でも、最終日にスコアを伸ばす試合が増えたし、体力がかなりついている」と目立たなかった、セールスポイントを語った。

 加えて、今大会は第六感までさえ、「週初めから、雨予報。チャンスがあるなぁと思った。雨の日のラウンドはスコアが伸びにくい。晴天とは違って、ランなどが出にくく、みんなが同じ条件で戦える。とにかく、耐える。うまくいけば上位へ行けるかもしれない」と、静かに闘志を燃やしていた。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 事実、その通りの展開になっている。「スタート前から強気でした。ちょっと緊張したけどプレー中、ずっと上をみながらいられたと思います」と、胸を張った。そして、ゼクシオアンバサダーとして、クラブとプレーをアピールすることもできたのだ。一石二鳥の優勝である。

 「ダンロップと用具契約するプロは、小祝さくらさん、山下美夢有さん、竹田麗央さんなど、トッププレーヤーがたくさんいる。ようやく、私も仲間入りできたような気がしてきた。この大会で優勝したということは、プレーとクラブをたくさん、ファンの皆さんに見ていただけたことになります。本当に、本当にうれしい優勝でした」と、重責を果たして満面の笑みが広がった。

 ところが、「パニックでした」と漏らしたことがある。「優勝スピーチ、優勝トロフィーをどういただけばいいかのタイミングなど、わからないことばかりです」。これはまぁ、経験を経て、解消するものだ。それだけに、次の1勝が待ち遠しい。できれば、日をあけずに。雨降って地固まる-好日は大器の覚醒を大いに促した。

(青木 政司)

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