2025.3.29
地元で初優勝へ王手 菅楓華が首位に浮上
2025.2.27
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
2025シーズンがまもなく開幕する。最終プロテストの難関を突破した97期生が希望を胸にデビューを待つ。2024年の総受験者は695人、合格率はおよそ3.7パーセントだった。今年、羽ばたく26人を紹介する。
まえだ・れいな=2005年12月5日、大阪府藤井寺市出身
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
「自分がいかに甘かったのか思い知らされました。彼女はその年のプロテストに合格できなかったら、ゴルフを辞めるという気持ちで臨んでいたんです」。それほどの覚悟があれば、練習での1球に対する重みも変わってくる。もちろん、プロテストを受験する選手の多くはそういう気持ちで臨んでいるし、前田にしても例外ではなかったはずだ。ただ、1打を争うシビアな状況では、今まで以上にメンタルの強さを求められることを改めて認識できた。
「もうこれ以上努力することは無理という限界まで自分を追い込んでみよう」。高校卒業後は毎朝午前5時前には家を出て、ゴルフ場へ向かう。打球練習、ラウンド、ショートゲームの練習を日が暮れるまで行い、帰宅後にトレーニングをこなしてから、再びドライビングレンジへ向かうという日々を送った。「ハードな練習をやり遂げたことで自信もつきましたし、昨年のプロテストには自分は絶対に合格するという気持ちで臨むことができました」。初めて臨んだ最終プロテストでは第1日に70をマークして首位タイでスタート。その後、一度も20位以下に落ちることなく14位タイで4日間を終えた。
<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>
しかし、QTファイナルステージでは93位に終わり、プロの厳しさを早くも知ることになる。「さすがにこのレベルになると気持ちだけでは通用しませんし、実力不足を痛感しました」と語るが、前田には大きな武器がある。身長171センチから繰り出されるドライバーショットだ。平均飛距離260ヤードはJLPGAツアーでもトップクラスに値する。「ただラフに入ってしまうことが多いので、シーズンオフはショットの方向性をもっと上げる練習をしたいです。できればショートゲームも磨き、パー5で確実にバーディーを奪えるようになりたいですね」。粗削りだが、今後に向けて大きな可能性を秘めていることは間違いない。まずは、今季の主戦場となるステップ・アップ・ツアーで経験を積み重ね、JLPGAツアーで戦うための足場を固めていく。
(山西 英希)