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2019.7.28

稲見萌寧 19歳、ラストチャンスで初優勝

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

 LPGAツアー第21戦『センチュリー21レディスゴルフトーナメント』(賞金総額8,000万円、優勝賞金1,440万円)大会最終日が7月28日、埼玉県比企郡・石坂ゴルフ倶楽部(6,470ヤード/パー72)で行われ、プロ2年目の稲見萌寧が通算9アンダーでLPGAツアー初優勝。1打差の通算8アンダー、2位はイナリ、青木瀬令奈が入った。
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 ここ一番の勝負強さが違う。19歳、最後のホールを稲見萌寧はバーディーで決めた。それも、LPGAツアー初優勝という、おまけまでつける。見事なガッツポーズで締めくくった。

 開幕から、大混戦ムードの今大会。通算8アンダーでイナリ、青木瀬令奈が先にホールアウトしていた。稲見は前半、思うようなプレーができず、スコアをひとつ落としてバックナインへ。流れを変えたのは、11番の第2打だった。練習で培った9Iから、鋭いボールがピンへ向かう。1メートルにつけ、楽々とバーディー奪取。15番でグリーン奥のカラーから、8メートルをカップインさせ再び、首位へ並ぶ。

 そして、運命の18番へ挑戦する。ここでも9Iが後押し。3メートルのバーディーチャンスである。ただし、外れたらプレーオフだ。「ラインを読んでいた時、1年前の最終プロテストと同じだったことを思い出した。テストと比べたら、まだ余裕があり、大丈夫と言い聞かせたら心臓の鼓動が静かに…」。ギリギリの状況で、本領を発揮したのはなぜだろう。

 1日、10時間の練習だった。「よほどのことがない限り、休んだことはない。また、休みたいと思ったこともない。インフルエンザにかかっていた時、ショートコースでベストスコアを出したことがありました。小学生の時から遊びに行きたくても、行かずにクラブを握っていた」という。強い信念が宿った。とはいえ、最終プロテスト合格後、新たなカベが立ちはだかる。昨年のサードQTで失敗。今季、前半戦の出場権は得られない。とはいえ、失敗には原因がつきもの。新たにコーチを替え、ショット、パッティング、メンタルなどすべてを見直した。唯一、変えなかったのは連日の猛練習である。

 今シーズンは少ないチャンスへ全力投球。きっちりと結果を残し、第1回リランキングで中盤戦からの出場権を得た。「もう、QTへ行かなくてもいい。LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップにも出場できますね。でも、満足はしていない。まだまだ、上には上がいます。もっと、もっと練習をしてうまくならなければ、追いつくことができません。毎週末、優勝争いをしたい」と語った。

 あす29日は、20歳の誕生日。これほど、素晴らしいストーリーはない。とはいえ、「きのう、思ったのは19歳最後の日が単独トップで迎えることでした。最高の誕生日のプレゼント。もし、優勝したら、皆さんの記憶にも残るでしょう」。降り注ぐ夏の日差しを浴び、満足そうにうなずいた。名前が示すように、記憶に残る印象派の誕生である。

(メディア管理部・中山 亜子)

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